トゥルフ・トゥルウィス
トゥルフ・トゥルウィス · トゥルウィズ · Twrch Trwyth
アーサー王伝説の驚異の猪で、罪の罰として獣に変えられた王。耳のあいだの櫛と鋏を得るため、アーサーの軍勢がアイルランドからウェールズを経てコーンウォールまで追った。その経路は実在の地名を順に辿る。
解説
概要
トゥルフ・トゥルウィス(Twrch Trwyth、トゥルウィズとも)は、アーサー王伝説に登場する驚異の猪である。その狩りの豊かに精緻な記述が、ウェールズの散文物語『キルッフとオルウェン』——おそらく1100年頃に書かれた——に描かれる。
神話・物語
その狩りには、アーサー王とその軍勢、そしてその猟犬カヴァルが関わった。また、巨人イスバザデンが定めた課題(アノエセウ)に従って、他の才ある者、他の猟犬、そして引き綱のような追加の装備も必要とされた。ただし事は必ずしも巨人が予言したとおりに運ばなかった。
猪はアイルランドから連れ出され、ブリテンへ追われ、ついにコーンウォールで崖から海へ突き落とされた。
課題。 巨人イスバザデンは、娘オルウェンの髪を整えるために、トゥルフ・トゥルウィスの耳のあいだにある櫛と鋏と剃刀を取ってくるよう命じた。この猪はかつて王であったが、神によって罪の罰として猪に変えられたのだという。
アーサーはアイルランドへ渡って猪と戦い、七人の子豚を従えた猪を海へ追い込む。猪はウェールズ南部を東へ駆け抜け、各地で戦士を殺した。次々に子豚が討たれ、ついにセヴァーン川で鋏と剃刀が奪われた。櫛はコーンウォールで取られ、猪は海へ落ちて姿を消した。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、トゥルフ・トゥルウィスの彫刻の部分である。
罪の罰として獣に変えられた王という設定が、この猪を規定する。単なる怪物ではなく、罰を受けた人間である。
猪が駆け抜ける経路は、ウェールズ南部の実在の地名を順に辿る。物語が地誌として機能しており、各地の名の由来が猪の狩りに帰されている。
『ブリトン人の歴史』(9世紀)は、アーサーの犬カヴァルの足跡が残る石をビュエルトの塚に記す。トゥルフ・トゥルウィスの狩りの伝承が、9世紀にすでに存在したことを示す。
関わる伝承
アーサー王が狩った。キルッフの課題の一つ。猟犬カヴァル。
アイルランドの神話にも、罰として猪に変えられた者の物語がある。ディルムッドを殺した猪も、もと人間であった。
文化的足跡
トゥルフ・トゥルウィスの狩りの経路は、ウェールズの地名研究において重要な資料である。中世の物語が、実在の地形をどう記憶していたかを示す。