PLATE — ΘΆΛΕΙΑ
HELLAS · ギリシア神話
ΘΆΛΕΙΑ
タレイア
タレイア(ムーサ) · タリア · Thaleia
喜劇と牧歌を司るムーサ。名は「花咲く」「豊かに実る」を意味する。カリスの一柱タレイアとは別人。
01
解説
概要
タレイア(Θάλεια / Thaleia)は、喜劇と牧歌を司るムーサである。名は「花咲く」「豊かに実る」を意味する動詞に由来し、宴の賑わいを指す語とも通じる。
なお、アプロディーテーに従う美の三女神カリスの一柱にも同名のタレイアがおり、別人である。豊穣を含意する名がありふれていたことの現れといえる。
神話・物語
アポローンとの間にコリュバンテスを生んだと伝えられる。コリュバンテスは楽器を打ち鳴らして踊る半神たちで、小アジアの女神キュベレーの祭儀に付き従う。喜劇の女神が、恍惚をともなう祭儀の担い手を生むという系譜になっている。
固有の逸話はこれ以外にほとんどない。喜劇そのものが前5世紀のアテーナイで確立した比較的新しい形式であり、その守護神としての彼女の役割も、古い神話ではなくヘレニズム期の分業の整理によって定まったものである。
図像と象徴
持物は喜劇の仮面、羊飼いの杖、そして蔦の冠である。悲劇の仮面を持つメルポメネーと対をなし、二つの仮面が並ぶ図像は今日まで演劇そのものの記号として使われ続けている。
本ページの主画像は、後2世紀前半のローマの《ムーサの石棺》(ルーヴル美術館 Ma475)に彫られた彼女で、喜劇の仮面を手にする。
系譜と関係
父ゼウス、母ムネーモシュネー。九柱の一。アポローンとの子コリュバンテス。
文化的足跡
悲劇と喜劇の仮面を組み合わせた記号は、劇場・演劇学校・演劇賞の標章として世界中で用いられている。二柱のムーサの持物が、そのまま演劇という制度の紋章になった例である。
02
領分・別名
03