タフミーネ
タフミーネ · タフミーナ · Tahmina
サマンガーンの王女でロスタムの妻、ソホラーブの母。自ら夜にロスタムの部屋を訪れて子を求めた。去る夫が残した印の宝石を子の腕に結んだ。子が父に殺されたと知り、髪を切り一年嘆き続けて死んだ。
解説
概要
タフミーネ(タフミーナとも)は、フェルドウスィーが11世紀初めに完成させたペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』のうち、「ロスタムとソホラーブ」の物語における女性の登場人物である。
ロスタムの妻、そしてサマンガーン王の娘として名が挙げられる。
神話・物語
ロスタムが狩りの途中でサマンガーンに立ち寄ったとき、その名馬ラフシュが盗まれた。王は馬を探すと約束し、ロスタムは宮廷に泊まった。その夜、王女タフミーネがロスタムの部屋を訪れた。自ら望んで来たのだと告げ、あなたの評判を聞いて育った、あなたの子を得たいと語ったのである。タフミーネは、ラフシュを探し出すことも申し出ている。
王が呼ばれて、正式な婚姻が結ばれた。翌朝、馬が見つかり、ロスタムは去っていった。去るにあたってロスタムは腕に結ぶ印の宝石を残し、生まれた子が男であれば腕に、女であれば髪に結べと告げた。
生まれた子が、ソホラーブである。タフミーネは、子が父を探しに行くことを恐れて、その出自を隠そうとした。しかしソホラーブはそれを知り、イランへ向かった。ソホラーブが父に殺されたと知ると、タフミーネは髪を切り、衣を裂き、子の馬を抱いて嘆いた。そして一年のあいだ嘆き続け、亡くなった。
図像と象徴
主画像は、16世紀の『シャー・タフマースブのシャー・ナーメ』の写本挿絵に描かれたタフミーネである。
系譜と関係
夫はロスタム、子はソホラーブ。父はサマンガーン王。
文化的足跡
タフミーネは、ペルシア文学における能動的な女性像として論じられてきた。
イラン、タジキスタン、アフガニスタンにおいて、女性の名として広く用いられている。
なおゾロアスター教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格と伝承に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。