ルドラ神群
ルドラ神群 · 十一ルドラ · エーカーダシャ・ルドラ
神ルドラの諸形態で、ヴェーダの三十三神のうち十一柱をなす。八ヴァス・十二アーディティヤとともに、地・大気・天の三領域に対応する。恐ろしい嵐の神ルドラを婉曲に「吉祥な者(シヴァ)」と呼んだ語が独立した神の名になり、ルドラ神群は後にシヴァの十一の姿とされた。
解説
概要
ルドラ神群は、ヒンドゥーの神々のうち、嵐の神ルドラのさまざまな姿を一群としてとらえたもので、ヴェーダの三十三神のうち十一柱を占める。後の時代には、ルドラの信仰がシヴァと結びつくにつれて、ルドラ神群もシヴァの十一の姿とみなされるようになった。
信仰
ヴェーダでは、神々は三十三柱と数えられた。八柱のヴァス、十一柱のルドラ、十二柱のアーディティヤ、そしてインドラとプラジャーパティである。ヴァスは地上、ルドラは大気、アーディティヤは天に対応するとされる。のちに語られる「三千三百万の神々」という言い方は、この三十三に由来するとも言われる。
十一柱の名は文献によって一致しない。そのなかで、「一本足の山羊」を意味するアジャ・エーカパードと、「深みの蛇」を意味するアヒ・ブドニヤの二柱は、『リグ・ヴェーダ』にすでに独立した神として現れる古い名である。十一柱の一覧が整えられたのは、後代の文献においてである。嵐の神々であるマルト神群とは、同じものとされることもあれば区別されることもあり、ヴェーダの神々の分類そのものが文献によって揺れている。
ヴェーダのルドラは、嵐と病と弓矢を司る恐ろしい神であった。「シヴァ」はもともと「吉祥な」を意味する形容で、恐ろしい神を遠回しに好ましい名で呼ぶための添え名だった。それがやがて独立した神の名となる。ルドラの複数の姿が十一柱として数えられ、後代にはそれがシヴァの十一の姿と理解されるようになった。今日も、十一のルドラを祀るエーカーダシャ・ルドラの儀礼が行われている。
図像と象徴
主画像は、ルドラ神群を表した天空曼荼羅の一部(5世紀、マトゥラー政府博物館蔵)である。
系譜と関係
ルドラとシヴァのさまざまな姿であり、マルト神群と重なる。
文化的足跡
讃歌「シュリー・ルドラム」は、今日もシヴァを祀る寺院で朗誦される最も重要な讃歌の一つである。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。