オイバロス
オイバロス王 · Oebalus · Oibalos
スパルタ王でテュンダレオースの父。系譜伝承は混乱しているが、ヘレネーの養祖父にしてペーネロペーの祖父という位置に一致する。ヒュアキントスの父ともされる。
解説
概要
オイバロス(Οἴβαλος / Oibalos)は、スパルタの伝説上の王である。系譜は資料によって大きく食い違うが、テュンダレオースの父とする点ではおおむね一致する。そのため、ヘレネーの人間の側の祖父、ペーネロペーの祖父という位置を占める。
神話・物語
アポロドーロス(3.10.4)は、アミュクラースの子キュノルタス、その子ペリエーレース、その子オイバロスという順にスパルタの王統をたどる。オイバロスは泉のニュンペーのバテイアを妻とし、テュンダレオース、ヒッポコオーン、イーカリオスをもうけた。同じ箇所でアポロドーロスは、テュンダレオースをペリエーレースとゴルゴポネーの子とする別の系譜も並べている。
パウサニアース(3.1.3〜4)はオイバロスをキュノルタスの子とし、ペルセウスの娘ゴルゴポネーを妻としてテュンダレオースをもうけたと記す。ゴルゴポネーは先に夫ペリエーレースを亡くしており、夫の死後に再婚した女としてギリシアで最初に名を残した、とパウサニアースは付け加える。
オイバロスの死後、王位をめぐってヒッポコオーンがテュンダレオースを追い出し、テュンダレオースはヘーラクレースの助けで王位を取り戻したという。
ヒュギーヌスやローマの詩人は、ヒュアキントスをオイバロスの子とする。オウィディウスが彼を「オイバロスの子」(オエバリデース)と呼ぶのはこの系譜による。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
妻はバテイア、あるいはゴルゴポネー。子はテュンダレオース、ヒッポコオーン、イーカリオス。孫にクリュタイムネーストラー、ディオスクーロイ(の一方)、ペーネロペー。スパルタには彼の英雄廟があった(パウサニアース3.15.10)。
文化的足跡
ローマの詩人たちは「オイバロスの」という形容でスパルタやそこに由来するもの(タレントゥムなど)を呼んだ。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。