ナーマカ
ナーマカ · ナーマカ・オ・カハイ · Nāmaka
ペレの姉である海の女神。夫を奪った妹を追って島から島へ火口を海水で消し、マウイ島でペレを引き裂いた。ペレの霊はハワイ島へ移った。この追跡の経路は、ハワイ諸島が北西から南東へ新しくなる地質学的事実と一致する。
解説
概要
ハワイ神話において、ナーマカ(ナーマカ・オ・カハイ、「カハイの目」)は、ペレの一族における海の女神として現れる。ペレホヌアメアの姉である。
クー・ワハ・イロとハウメアの娘であり、その他の子にはペレ、ヒイアカ姉妹、カマ兄弟、そして鳥ハルルがいる。
ナーマカはアウケレヌイアイークーを夫としたが、彼はのちに妹ペレの夫となった。
ペレとの争い
ナーマカとペレの争いは、ハワイの島々の成り立ちを語る物語である。ペレが姉の夫を奪ったため、ナーマカは怒って妹を追った。ペレは家族とともにカヌーで逃げ、島から島へと移っていった。ナーマカはそのたびに海から追いつき、ペレが作った火口を海の水で消してしまった。ペレはニイハウ島からカウアイ島、オアフ島、モロカイ島、マウイ島へと逃れ、ついにハワイ島のキーラウエアにたどり着いた。マウイ島でナーマカはペレを引き裂いて殺したとも語られるが、ペレの霊はキーラウエアへ移ってそこに住むようになったという。引き裂かれたとされる場所は、「カ・イウィ・オ・ペレ」(ペレの骨)と呼ばれる丘である。
ハワイの島々は、北西から南東へと、古い島から新しい島が順に並んでいる。ホットスポットの上を太平洋プレートが動いていくためである。ペレが北西から南東へと逃れ、最後にハワイ島に落ち着くという物語は、この地質の事実と一致している。この一致は、ハワイの人々が島の成り立ちをよく見ていたことを示すものとして、しばしば取り上げられる。ただし、物語が地質の知識を意図して表したものかどうかは、別の問題である。
海と火
ナーマカが海、ペレが火である。海は火を消し、火は新しい土地を作る。
ハワイ島では、今日も溶岩が海に流れ込む。二つの力の出会いが、目に見える形で続いている。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
母はハウメア。ペレ、ヒイアカの姉妹。夫はアウケレヌイアイークー。
ペレの兄弟の一柱で、島渡りの旅に伴ったカーネ・ミロハイも、ナーマカの兄弟にあたる。
文化的足跡
2005年に見つかった準惑星ハウメアの二つの衛星は、ヒイアカとナーマカと名づけられた。ハウメアは二柱の母とされる女神であり、母と二人の娘の名が、天体の名として並んでいることになる。
なおハワイ・サモア・トンガ・タヒチの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。