ナファヌア
ナファヌア · Nafanua
サモアの歴史上の女王にして戦士で、四つの地区の称号をすべて得た最初のタファイファ。死後に戦の女神として神格化された。性を隠して戦い、女と知られたとき敵の恥を思って殺戮を止めた。宣教師の到来を予言したとされる。
解説
概要
ナファヌアは、サモアの歴史に名を残すサー・トヌマイペア氏族の女性首長(アリイ)で、戦士(トア)でもあった。サモアの主な首長位である四つの地区(パーパー)の称号をすべて手にし、その保持者に与えられる最高位タファイファに初めて就いた人物とされる。
死後は、戦の女神として祀られるようになった。
生涯
ナファヌアは、冥界プロトゥの神サヴェアシウレオと、その姪ティラファインガの娘であった。父はナファヌアを血の塊として産み落とさせ、それを埋めさせたと伝えられ、そこから戦士として現れたという。ナファヌアは、サモアの東の勢力に虐げられていた西の人々を率いて、解き放ったとされる。
戦いのなかで、ナファヌアは自分が女性であることを隠して戦っていたが、戦いのさなかに衣が乱れて、女性であることが知られた。敵は女性に負けたことを恥じた。ナファヌアはそれ以上殺し合うことをやめさせ、勝利を宣言した。完全な勝利を求めず、途中で戦いをやめるという判断が、この人物を形づくっている。
予言
伝承によれば、ナファヌアは首長マリエトア・フィティセマヌに、その王国の頭(かしら)は天から来るので待つようにと告げた。1830年、宣教師ジョン・ウィリアムズがサパパリイに上陸すると、フィティセマヌの子マリエトア・ヴァイヌウポが聖書を受け取ってキリスト教を受け入れ、多くの人がこれを予言の成就とみなしたという。ただしこの話は、キリスト教を受け入れたことを正当化するために、あとから組み立てられた可能性が指摘されている。先住民の予言が外から来る宗教の到来を告げていたという型は、各地の宣教の記録に繰り返し現れ、アステカのトピルツィンの帰還の予言とも同じ構造をしている。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、伝統的なポリネシアの衣装ティプタである。
関わる神格・伝承
父はサヴェアシウレオ。サモアの戦の女神。
文化的足跡
ナファヌアは、今日のサモアにおいて国民的な英雄である。その名は学校、団体、そして人名に用いられている。
女性の指導者の先例として、繰り返し言及される。
なおハワイ・サモア・トンガ・タヒチの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。