モーマイ
モーマイ · モーマイ・マーター · ダシャーマー
カッチの砂漠地帯で信仰される女神で、ダシャーマーとも呼ばれ、牧畜の民ラバーリーの最高の女神。駱駝に乗る四臂の姿で表され、多くの氏族の家系の守護女神ともされる。女性が十日間の誓戒ダシャーマー・ヴラタを行う。
解説
概要
モーマイ(モーマイ・マーター、ダシャーマーとも)は、インド西部グジャラート州、とりわけカッチの砂漠地帯で信仰される地方の女神である。駱駝に乗る姿で表され、駱駝や羊を飼う牧畜の民ラバーリーの人々にとって最も重要な女神である。ヒンドゥーの体系に含めて扱う。
信仰
ラバーリーのなかのソーラティヤーと呼ばれる集団は、この女神を「マンマイ」と呼ぶ。カッチのラーパル近くのモーマイ・モーラ村が、女神が最初に姿を現した地とされ、その寺院は巡礼地となって、毎年ナヴァラートリの前夜に大きな祭が営まれる。ラバーリーの家のほとんどに、その像が置かれている。
モーマイは、旧カッチ藩王国の支配者や戦士の氏族を含む、ジャーデージャー、パルマール、ソーダーなど多くの氏族の家系の守護女神(クラデーヴィー)とされ、女神アーシャープラーと深く結びついている。ラージプローヒトの一部の氏族やバルダイのバラモン、カッチの職人ミストリーの諸集団も、家系の守護女神として祀る。
ダシャーマーの誓戒
ダシャーマー・ヴラタは、主にグジャラート州とディーウで行われる十日間の誓戒である。ふつうアーシャーダ月の新月の日、太陽暦の七月から八月にかけて始められ、チャイトラ月(三月ごろ)に行う人も多い。主に女性が、家族の繁栄と幸運を願って行う。
図像と象徴
駱駝に乗り、四本の腕を持つ姿で表される。上の右手に剣、上の左手に三叉戟、下の両手に蓮と鎧を持つ。主画像は、ダシャーマーを描いた図である。
系譜と関係
アーシャープラーと深く結びつき、ラバーリーの最高の女神とされる。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。