目連
マウドガリヤーヤナ · 目犍連 · 大目犍連
釈迦の十大弟子で神通第一。舎利弗と並ぶ二大弟子。餓鬼道に堕ちた母を神通力で見つけ、僧への供養によって救ったことが盂蘭盆会(お盆)の起源となった。最期は外道に撲殺され、業は神通でも避けられないと説かれる。
解説
概要
目連(もくれん、梵 Maudgalyāyana マウドガリヤーヤナ、巴 Moggallāna)は、古代インドの修行僧であり、釈迦仏の十大弟子の一人である。正しくは目犍連であるが、目連と呼ばれることが多い。
目連は原始仏教教団の長老の一人として十大弟子に列せられており、優れた神通力の使い手として神通第一と称された。釈迦の直弟子中でも舎利弗と並ぶ二大弟子として活躍したことから、マハー(摩訶=大)を冠して摩訶目犍連、大目犍連などとも記される。
生涯
マガダ国の王舎城北、拘利迦村のモッガリヤというバラモン女性の子として生まれた。舎利弗とは幼少からの友人であり、ともにサンジャヤに師事し、ともに釈迦に帰依した。
神通第一と称され、天眼、天耳、他心通、宿命通、神足通を自在に用いたとされる。空を飛び、地を潜り、遠くを見、他人の心を読んだ。
しかし最期は、外道の者に襲われて撲殺されたと伝えられる。神通力を持ちながら、なぜそれを用いて逃れなかったのか——この問いに対し、経典は過去世の業の報いであり、業は神通をもってしても避けられないと説く。
盂蘭盆会の起源
『盂蘭盆経』によれば、目連は神通力で亡母を探し、餓鬼道に堕ちて逆さ吊りにされ苦しむ姿を見た。食物を送ろうとしたが、母の口に入る前に炎となって燃えてしまう。
釈迦に救う方法を問うと、七月十五日の自恣の日に、修行を終えた僧たちに供養せよと教えられた。目連がこれに従うと、母は餓鬼道から救われた。
これが盂蘭盆会——お盆——の起源である。東アジアにおいて最も広く行われる仏教行事の一つが、この弟子の物語に由来する。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、目連の図である。
神通を持ちながら業に敗れるという構造が、この人物を規定する。超能力は因果を覆せない。
関わる神格・伝承
友は舎利弗。十大弟子の一。盂蘭盆会の起源。
文化的足跡
中国の「目連戯」は、目連が母を救う物語を演じる民間演劇で、明清期に広く上演された。日本のお盆も、この物語を典拠とする。
なお仏教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその尊格の伝承と図像に関する学術的な整理である。