ラウェルナ
ラヴェルナ · Laverna
ローマの利得と冥界の女神で、盗人の守護神。左手で注ぐ献酒で宥められた。ホラーティウスは偽善者が「私の罪に夜を、欺きに雲を」と祈る場面を描く。アウェンティーヌスの門ポルタ・ラウェルナーリスに聖域があった。
解説
概要
ローマ神話において、ラウェルナ(Laverna)は利得あるいは利益と冥界の女神で、下層階級、亡命者、そして盗人の企ての守護と結びつけられるようになった。左手で注がれる献酒によって宥められた。詩人ホラーティウスと劇作家プラウトゥスは、彼女を盗人の女神と呼んだ。ローマでは、その聖域はアウェンティーヌスの丘の北の頂の門ポルタ・ラウェルナーリスの近くにあった。
語源
名の起源についていくつかの説明がある。印欧祖語 *leh₂w-(「利益」)に遡らせる説、ラテン語レウァーレ(「持ち上げる、盗む」)に結びつける説、あるいはエトルリア起源とする説である。
性格
盗人の女神という性格は、ホラーティウス『書簡詩』第1巻第16歌の一節に基づく。偽善者が「美しきラウェルナよ、私に欺く力を与え、正しく聖なる者と見せてくれ。私の罪に夜を、欺きに雲をかけてくれ」と祈る場面である。
プラウトゥス『黄金の壺』にも、盗人がラウェルナに祈る場面がある。
左手で献酒を注ぐという作法は、通常の右手による献酒の反転であり、冥界と隠された事柄の神への作法である。盗人が左手で行うことと対応する。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
盗人に守護神があるという事実が、この女神を規定する。ローマの宗教は、社会の周縁の職業にも神を置いた。ギリシアのヘルメースが盗人の守護神でもあるのと同じく、盗みは神の領域から排除されなかった。
夜と雲を求める祈りは、この女神が隠すことの神であることを示す。利得と冥界という二つの職能は、隠された富——地下の財宝——という観念で結びつく。
関わる神格・伝承
冥界の神々に属する。ヘルメース、メルクリウスと盗人の守護という職能を共有する。
文化的足跡
近代の魔女術(ウィッカ)の一部で、ラウェルナは盗人と詐欺師の女神として取り上げられた。チャールズ・リーランド『アラディア』(1899年)がその出典である。