ラウフェイ
ラウフェイ · ナール · Laufey
ロキの母で、名は「葉の島」を意味する。夫ファールバウティが「打つ者」=雷を表すとすれば、雷が木を打って火(ロキ)が生じるという解釈がある。ロキが父ではなく母の名で「ラウフェイの子」と呼ばれるのは北欧では異例。
解説
概要
ラウフェイ(Laufey、ナールとも)は、北欧神話におけるロキの母である。夫は巨人ファールバウティである。
名
ラウフェイは「葉の島」を意味すると解される。ラウフ(「葉」)とエイ(「島」)の複合である。
別名ナール(Nál)は「針」を意味する。『新エッダ』の一部の写本は、彼女が細く弱かったためこの名を得たと記す。
「葉の島」と「針」——いずれも木に関わる語である。夫ファールバウティが「打つ者」=雷を表すとすれば、雷が木を打って火が生じ、その子が火の神ロキになるという解釈が可能である。この説は19世紀以来繰り返し提出されてきたが、確証はない。
母の名で呼ばれる子
ロキは、スカルド詩と『古エッダ』において「ラウフェイの子」(ラウヴェイヤルソン)と呼ばれる。北欧において人は通常父の名で呼ばれるため、これは異例である。
『ロキの口論』において、オーディンはロキを「ラウフェイの子」と呼びかける。父の名ファールバウティで呼ばれる例は乏しい。
この異例をめぐって、ラウフェイの家系が高名であったとする説、ロキが女性的な性格を持つことに対応するとする説などがある。
アース神族か巨人か
ラウフェイが巨人であるか女神であるかは、資料からは判然としない。夫が巨人であることは明記されるが、彼女自身の種族は記されない。
一部の研究者は、ラウフェイをアース神族の女とみる。これによってロキがアース神族に受け入れられたことが説明されるという。
本サイトでは、種族が確定しないことを踏まえ、便宜上「神格」として扱う。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
夫はファールバウティ、子はロキ、ビュレイスト、ヘルブリンディ。
文化的足跡
マーヴェル・コミックとその映画において、ラウフェイはロキの父である男の巨人とされている。原典と性別が異なる。