ラーオダメイア
ラオダメイア · ラオダミア · Laodamia
ギリシア神話の女性の名。ベレロポーンの娘でゼウスの子サルペードーンの母、およびアカストスの娘で、トロイアで最初に戦死したプローテシラーオスの妻が知られる。
解説
概要
ラーオダメイア(Λαοδάμεια)は、ギリシア神話の女性の名である。同名の女性が複数おり、主として二人が知られる。
同名の女性たち
英雄ベレロポーンの娘のラーオダメイアは、『イーリアス』第6巻によれば、ベレロポーンとリュキアの王イオバテースの娘ピロノエーとのあいだの娘で、イーサンドロスやヒッポロコスのきょうだいにあたる。ゼウスに愛されてサルペードーンの母となったが、のちに女神アルテミスの怒りを受けて射殺された。これは、突然の死を遂げたことを意味する。夫をクサントスとする説もある。サルペードーンは、ヒッポロコスの子グラウコスとともに、トロイア戦争でリュキアの人々を率いてギリシア軍と戦った。
イオールコスの王アカストスの娘のラーオダメイアは、プローテシラーオスの妻である。プローテシラーオスは、トロイアに最初に上陸し、最初に戦死したギリシア人であった。婚礼のすぐあとに夫を失ったラーオダメイアは、神々に願い、夫を三時間だけ冥界から呼び戻してもらった。再び別れることになると、彼女は夫の像を作ってそれを抱きしめ、ついには自ら命を絶ったという。父アカストスがその像を焼かせたとき、彼女は火のなかに身を投じたともいう。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
第二のラーオダメイアの物語は、死者との束の間の再会という主題を扱う。三時間という具体的な時間、そして像への執着。オルペウスの物語と同じく、冥界からの帰還は一時的なものにとどまる。
第一のラーオダメイアは、ゼウスの子サルペードーンの母である。サルペードーンの死に際してゼウスが血の雨を降らせたという『イーリアス』第16巻の場面は、この母の系譜を背景にしている。
関わる神格・伝承
第一の父はベレロポーン、子はサルペードーン。第二の父はアカストス、夫はプローテシラーオス。
文化的足跡
エウリピデースは失われた悲劇『プローテシラーオス』でこの物語を扱ったとみられる。ワーズワースの詩『ラオダミア』(1815年)は、第二のラーオダメイアを主題とする。
日本語圏では、サルペードーンの母として、あるいはプローテシラーオスの妻として、系譜に現れる程度である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。