コリガン
コリガン · コリグ · コレド
ブルターニュの妖精あるいは小人の霊で、泉と巨石遺構の周りに現れる。夜に巨石のあいだで輪舞し「月曜、火曜……」と歌い、続きを上手に歌えば褒美を、拙ければ罰を与える。カルナックなどの先史の遺構の建造がこの霊に帰される。
解説
概要
コリガンは、ケルトのブルターニュの伝承に語られる妖精、あるいは小人のような霊である。名はブルトン語で「小さな小人」を意味し、コーンウォール語の小人の名とも近い。泉や、カルナックに代表される巨石遺構のまわりに現れ、夜になると石のあいだで輪になって踊るとされる。地方ごとに呼び名はさまざまである。
神話・物語
コリガンは泉や水源に住み、ドルメンやメンヒルといった巨石のまわりに姿を見せる。ブルターニュにはカルナックをはじめとする先史時代の巨石遺構が数多く残り、その建造はしばしばコリガンの仕業とされた。
夜、コリガンたちは巨石のあいだで輪になって踊り、「月曜、火曜、水曜」と繰り返し歌う。よく知られた話では、通りかかった背中に瘤のある男が踊りに加わって「木曜、金曜」と歌を上手に継ぎ、喜んだコリガンに瘤を取ってもらう。これを聞いた別の男がまねをして拙く歌を継ぐと、罰としてその瘤をつけられる。日本の「瘤取り爺」と同じ筋で、昔話の国際的な分類でも同じ話型(ATU 503)に数えられる。
コリガンは教会の鐘や聖水を嫌い、キリスト教を受け入れなかった存在として語られる。19世紀には、コリガンをキリスト教以前のドルイドの女祭司の記憶とみる説も唱えられた。ただし、コリガンを「追われた異教の神々」とする理解には、19世紀のロマン主義の解釈が多分に含まれている。
図像と象徴
主画像は、コリガンを描いた19世紀末の絵葉書である。
系譜と関係
ウェールズのタルイス・テーグ、アイルランドのアシュ・シーとともに、ケルトの妖精の系列をなす。
同じモルビアンの夜の存在に、「夜の羊飼い」を意味するブギュル・ノズがいる。
文化的足跡
コリガンは、今日もブルターニュの文化の象徴として広く親しまれている。
なおケルトの伝承は今日も語り継がれており、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。