九天玄女
きゅうてんげんにょ · 玄女 · 玄女娘娘
兵法と戦の中国の女神で、西王母の弟子とされる。黄帝が蚩尤の濃霧に苦しんだとき天から降って兵法と兵符を授け、勝利を導いた。『水滸伝』では宋江に三巻の天書を授ける。初期には人首鳥身で描かれた。
解説
概要
九天玄女(きゅうてんげんにょ)は、中国の女神である。玄女、玄女娘娘とも呼ばれる。兵法と戦の女神であり、道教では西王母の弟子とされる。
神話・物語
黄帝への授兵。 黄帝が蚩尤と涿鹿で戦い、蚩尤の起こした濃霧に三日三晩苦しめられたとき、九天玄女が天から降って兵法と兵符を授けた。
黄帝はこれによって蚩尤を破った。人首鳥身の姿で現れたと『雲笈七籤』は記す。
その他の伝承。 『黄帝内伝』『玄女兵法』など、この女神の名を冠する兵書が複数伝わる。いずれも後世の仮託である。
小説における展開
『水滸伝』において、宋江が官憲に追われて逃げ込んだ廟で九天玄女に会い、三巻の天書を授けられる場面がある。この天書によって宋江は梁山泊の指導者となる。
『封神演義』にも登場し、周の側について助力する。
小説を通じて、九天玄女は「英雄に兵法を授ける女神」として広く知られるようになった。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。道教の神像としては、鳳凰を伴う女神の姿で表される。
人首鳥身という初期の描写が、この女神を規定する。のちに完全な人の姿で描かれるようになるが、鳥との結びつきは鳳凰を伴う形で残った。
窮地の英雄に天から降って秘伝を授けるという型は、各地の神話に見られる。西洋のアテーナーが英雄を助けるのと同じ構造である。
関わる神格・伝承
西王母の弟子。黄帝に兵法を授けた。『水滸伝』の宋江に天書を授けた。
文化的足跡
日本では『水滸伝』を通じて名が知られる。台湾と華南の廟に祀られ、今日も信仰の対象である。
なお中国の民間信仰と道教は今日も継承されている生きた信仰であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。