テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
イサッキ
PLATE — ISAKKI
BHARATA · ヒンドゥー神話
ISAKKI

イサッキ

イサッキ · イサッキ・アンマン · エサッキ

Zestray CC BY-SA 4.0

タミル・ナードゥ南部の民間の女神で、名はサンスクリットの「ヤクシー」がプラークリットを経て変化したもの。夫に家を追われて命を絶った母アンビカーが、子らのために女神となったと伝えられる。子を抱き三叉戟を持つ姿で、子授けの女神として祀られる。

01

解説

概要

イサッキ(イサッキ・アンマン、エサッキとも)は、南インドのタミル・ナードゥ州南部で祀られる民間のヒンドゥーの女神である。名はサンスクリット語の「ヤクシー」が、プラークリット語の「ヤッキ」を経て変化したものである。村を守る村落神(カーヴァル・デイヴァム)の一つとされ、カニヤークマリ、ティルネルヴェーリ、セーラムなどの地域で信仰が盛んである。

神話・物語

最もよく語られる伝承では、イサッキはもとアンビカーという主婦であった。夫ソーマシャルマンが祖先供養の儀礼のため川で沐浴しているあいだに、アンビカーは飢えた聖者に供物の食べ物を施してしまい、怒った夫に二人の子とともに家を追われた。のちに悔いた夫が探しに来ると、アンビカーは夫を恐れて命を絶った。死後、ヤクシニーとなったが、成長していく子らの世話をしたいと願い、子らのために命を取り戻して女神イサッキとなったという。

恋人に欺かれて殺された女の霊とする伝承もあり、隣のケーララ州のカッリヤンカットゥ・ニーリと同じ物語で語られる。

信仰

イサッキの祠は、ヴェーダの神々の寺院と違って簡素なものが多く、タミル語でパールカッリと呼ばれるサボテンに似た植物で飾られる。この植物は傷つくと乳のような汁を出し、それが女神のしるしとされる。祠の近くにはバニヤンや菩提樹があり、子を望む女性は小さな木の揺りかごを供えたり、サリーの切れ端を枝や根に結んだりする。

図像と象徴

赤い衣をまとった若い女性の姿で、片手に子を抱き、もう一方の手に三叉戟を持つ。地に横たわる男の上に立つ姿で表されることもある。ジャイナ教のヤクシニーで、樹の下に一人か二人の子とともに表されるアンビカーに対応する。主画像は、タライヴァンコッタイのシュリー・ナーガ・カンニ・アンマン寺院のイサッキ・アンマン像である。

系譜と関係

ヤクシニーに由来する女神であり、ニーリと同じ物語を持つ。

なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q12974266 — 骨格データの出典