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グール
PLATE — غول
ABRAHAMICA · 一神教の伝承
غول

グール

グール · ガウル · シッラー

《アミーナと屍食鬼》 PUBLIC DOMAIN

イスラーム以前のアラビアに起源をもつ荒野の魔物で、旅人を誘い込んで殺し、その肉を食う。のちジンの一種とされた。名は「つかみ取る」の意の動詞に由来する。ガランの『千夜一夜物語』の仏訳を通じて、墓場で屍を食う怪物としてヨーロッパに広まった。

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解説

概要

グールは、アラビアの伝承に語られる、荒野で旅人を襲い、墓場と結びついて人の肉を食うとされる魔物である。イスラーム以前のアラビアの宗教に起源をもち、イスラームの時代にはジンの一種とされた。18世紀にアントワーヌ・ガランのフランス語訳『千夜一夜物語』を通じてヨーロッパに紹介され、墓場で屍を食う怪物の像が定まった。アブラハムの宗教の体系に含めて扱う。

神話・伝承

名は、「つかみ取る」を意味するアラビア語の動詞ガーラに由来する。グールは旅人を荒野や人のいない場所に誘い込んで殺し、その肉を食うとされた。最後に食った人の姿をとることができるともいい、ロバの蹄の足で正体が見破られるとも語られる。古いアラビア語ではこの語は女性として扱われ、のちに男性名詞となって、女のグールはスィラと呼ばれるようになった。親族に化けて夫や父を誘う「母グール」(ウンム・グーラ)の話もある。

グールはクルアーンには現れないが、ハディースには現れる。マスウーディーは、カリフのウマルがシリアへの旅の途中で剣でグールを殺したと伝え、ダミーリーが引くハディースは、ひとりで旅する者は礼拝の呼びかけ(アザーン)を唱えればグールから逃れられるとする。玉座の節を唱えたグールがイスラームに帰依する話もある。一方で、合理主義のムウタズィラ派はグールの存在を否定した。

ヨーロッパへ

ガランの『千夜一夜物語』(1704〜17年)は、グールを墓場に棲んで屍を食う怪物として描いた。夜ごと墓場でグールと屍を食う妻アミーナの話は、ガランが加えた「シディ・ヌウマーンの物語」に含まれる。英語の文学でこの語を最初に用いたのは、ウィリアム・ベックフォードの小説『ヴァテック』(1786年)である。ラヴクラフトの「ピックマンのモデル」では、グールは屍を食ううちに獣じみた姿となった地下の種族として描かれる。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、アミーナがグールと屍を食う場面を見つけられる、「シディ・ヌウマーンの物語」の挿絵である。

系譜と関係

ジンの一種とされる。女のグールはスィラと呼ばれる。

文化的足跡

英語の "ghoul" は、死や不気味なものを好む人や、墓掘りや葬儀屋など死に関わる仕事の人をさげすんで呼ぶ言葉にもなっている。

なおユダヤ教・キリスト教・イスラームは今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその伝承と観念の歴史に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q208446 — 骨格データの出典