コーンスス
コンスス · Consus
穀物を蓄える地下の神。祭壇はキルクス・マクシムスの地下にあり、年に数回だけ掘り出された。祭コーンスアーリアで馬が休み競馬が行われ、この日にロームルスがサビニの女たちを略奪した。
解説
概要
コーンスス(Consus)は、ローマの古い神で、収穫した穀物を蓄えることに結びつく。名は「しまい込む、蓄える」を意味するラテン語 condere と結びつける説が有力である。古代の著述家はむしろ「助言」(consilium)と結びつけて助言の神と解し、また馬にかかわる祭からギリシアのポセイドーン・ヒッピオス、ローマのネプトゥーヌス・エクエストリスとも同一視した。
祭祀
コーンススの祭壇は、戦車競走場キルクス・マクシムスの第一の折り返し標のところで地下に埋められていた。ふだんは土に覆われ、8月21日と12月15日の祭コーンスアーリアのときにだけ掘り出された。テルトゥリアヌスは、祭壇に「コーンススは助言において、マールスは戦いにおいて、ラレースは集会において力ある者」という趣旨の銘があったと伝える。8月の祭ではクゥイリーヌスの神官とウェスタの巫女が供犠を行った。
コーンスアーリアの日には馬や騾馬が仕事を休み、花の冠で飾られ、競馬が催された。リーウィウス(1.9)などによれば、ロームルスはこの祭に近隣のサビニ人を招き、人々が競技に見入っているあいだにローマの若者たちがサビニの娘たちをさらった。国を得たばかりのローマが妻を得る話が、穀物の神の祭の日に置かれている。
8月25日には、豊穣の女神オプスの祭オピコンシーウィアがあり、オプスはオプス・コーンシーウァ(蓄えのオプス)とも呼ばれた。8月21日と25日、12月15日と19日(オパーリア)と、二柱の祭は数日をおいて並んでおり、収穫を蓄える季節と、播種を終えた冬の時期とに対応すると解されている。前272年には、ルキウス・パピリウス・クルソルがアウェンティーヌスの丘にコーンススの神殿を奉献したと伝えられる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。地下に埋められ、祭のときだけ姿を現す祭壇そのものが、この神の表現であった。穀物を地下の倉に蓄えるという営みと、祭壇を土で覆う儀礼とを重ねてみる解釈がある。
関わる神格・伝承
穀物にかかわる点でケレース、蓄えにかかわる点でオプスと結びつく。古代にはネプトゥーヌス・エクエストリスと同一視された。