アウォナウィロナ
アウォナウィロナ · Awonawilona
ニューメキシコのズニ人の至高の創造者で、名は「すべてを容れるもの」を意味する。性は明示されない。自らの息から霧を作り、それ自体になった。人は四つの地下世界から双子に導かれて出てきたとされ、その穴シパプがキヴァの床に表される。
解説
概要
アウォナウィロナは、アメリカ合衆国ニューメキシコ州に住むズニの人々の神話における、万物を造った至高の命の力である。名は「すべてを容れるもの」と訳され、男とも女とも定められず、「彼」とも「彼女」とも呼ばれる。はじめにあらゆる形の水を造り、自らその水となって、霧や雲、大きな水、空気が生まれたという。像に表されることはない。
なお本サイトの分類では、北米先住民の体系に含めて扱う。
造り、そのものとなる
アウォナウィロナは、自らの息から霧を造り、それを世界に広げた。はじめにあらゆる形の水を造り、自らその水となったという。造る者と造られたものとが、分かれていないのである。アウォナウィロナは次に、大地の母アウィテリン・ツィタと、天の父アポヤン・タチュを生み、この二柱からあらゆる生き物が生まれた。すべてを容れるものは、男女の区別よりも前にある存在として、性を定められていない。
地下からの出現
ズニの人々の起源の物語は、人が地下の世界から現れたと語る。人々ははじめ、最も深い世界に住んでいた。そこは暗く、人は虫のような姿であった。太陽の子である双子が遣わされ、人々を導いて、四つの世界を順に昇り、ついに今の世界へと連れ出したという。人々が出てきた穴はシパプと呼ばれ、プエブロの人々の地下の儀礼の部屋キヴァの床には、この穴を表す小さなくぼみが作られる。地下から現れたという起源の物語は、ホピやズニ、テワなどプエブロの人々に共通しており、ナバホのチェンジング・ウーマンの伝承にも同じ構造が見られる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。ズニの人々は、至高の存在を像に表さない。
関わる伝承
大地の母アウィテリン・ツィタと天の父アポヤン・タチュを生み、カチナの体系の頂点に位置する。
文化的足跡
ズニのプエブロは、今日もニューメキシコ州に続いており、系統の分からない独自の言葉ズニ語と、独自の宗教を保っている。
なお北米先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、物語が特定の氏族や個人に属する場合もある。本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。