テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
PLATE — ASH
AEGYPTVS · エジプト神話
ASH

アシュ

アシュ · ユク · Ash

ナイル西方砂漠のリビュア人が崇拝した天空神で、エジプト人には「テヘヌの主」とされた。西デルタの葡萄畑の神と同定され、古王国の葡萄酒壺の封印に名が刻まれる。セトと図像を共有し次第に吸収された。

01

解説

概要

アシュ(Ash)は、ナイル川の西に広がる砂漠地帯である西方砂漠のリビュア人とテヘヌ族が崇拝したアマジグ(ベルベル)の天空神であった。古代エジプト人には「テヘヌの主」とみなされた。

とりわけ、古代エジプト人には西ナイル・デルタの葡萄畑の神と同定され、それゆえ好意的な神格とみなされた。

記録

フリンダーズ・ピートリーは1923年のサッカラ調査において、古王国の葡萄酒壺の封印にアシュへの複数の言及を見出した。「私はこのアシュによって爽やかにされる」は、そこに見られる一般的な銘であった。

アシュは第二王朝の時代からすでに崇拝されており、エジプトの神々のなかでも古い層に属する。

図像と象徴

固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。人の姿、あるいはセトの獣の頭を持つ人として描かれる。

セトとの結びつきが、この神を規定する。セトが西方の砂漠を表すのに対し、アシュもまた砂漠と西方の神である。両者は図像と職能を共有し、次第にセトに吸収された。

外来の神が取り込まれるという構造も注目される。リビュアの神がエジプトの万神殿に入り、その土地の産物(葡萄酒)の神として位置づけられた。

エジプト人が周辺の民族の神をどう扱ったかを示す例である。敵対する民族の神でありながら、その地の恵みをもたらす者として受け入れられている。

関わる神格・伝承

セトと結びつく。西方砂漠とオアシスの神と職能を共有する。

「テヘヌの主」「リビュアの主」という称号を持つ。テヘヌはエジプト人が西方の民族を指した呼称である。

文化的足跡

日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。エジプトと周辺民族の関係を論じる文脈で言及される。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q152079 — 骨格データの出典