アマディオハ
アマディオハ · アマディオラ · カマル
イグボ人の雷と稲妻の神で、虐げられた者のために復讐し虐げる者を撃つ。雷に打たれて死んだ者は罰せられたとみなされ通常の埋葬を許されなかった。白い雄羊を聖獣とし、大地のアラと天地・白黒の対をなす。
解説
概要
アマディオハは、ナイジェリア南東部のイグボ人の雷と稲妻の神格(アルシあるいはアグバラ)である。
その主要な職能は、正義を行い、虐げられた者のために復讐することであり、虐げる者とその財産を撃つ。
ただしキリスト教の到来——赦しを説き、復讐を神に委ねよと教える——により、今日では解決を求めてこの神に相談する人は少ない。
イグボの神格のうち最も広く知られるものの一つであり、イグボランドの一部ではアマディオラ、あるいはカマル(短縮形)と呼ばれる。
なお本サイトの分類では、アフリカの体系に含めて扱う。
職能
雷による裁き。 雷に打たれて死んだ者は、アマディオハに罰せられたとみなされた。その遺体は通常の埋葬を許されず、悪しき森(アジョ・オフィア)に捨てられた。
雷が正義の執行であるという観念は、人の法が及ばない罪を天が罰するという構造を持つ。中国の雷公と同型である。
誓い。 アマディオハの名にかけて誓うことは、最も重い誓いの一つであった。偽れば雷に打たれる。
象徴
白い雄羊が聖獣である。祭祀において白い雄羊が捧げられた。
その色は白であり、アラ(大地)の黒と対をなす。天と地、白と黒の対である。
アマディオハの日は「アフォー」——イグボの四日週の一日——である。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
雷石。 雷が落ちた場所から見つかる石(実際には新石器時代の石斧)は、アマディオハが投げた石とされ、神聖なものとして保管された。
同じ観念は、ヨーロッパの雷石信仰にも見られる。石斧を雷の痕跡とみなす理解は、各地に独立に現れる。
関わる神格・伝承
アラと対をなす。チュクウの顕現の一。
ヨルバのシャンゴ、フォンのヘビオソと、雷の神という職能を共有する。西アフリカ全域で、雷の神が正義と結びつく。
文化的足跡
「アマディオハ」の名は、今日もイグボ語において雷を意味する語として用いられる。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。