アイトヴァラス
アイトヴァラス · アイトワラス · プーキス
リトアニアの富を運ぶ霊。家では雄鶏や黒猫の姿、空では火の玉や火の尾を引く竜の姿で飛び、流星はその姿とされた。隣家から穀物や金を盗んで主人の家へ運ぶが、一度住みつくと出ていかず、飼い主は苦しい死を迎えるという。
解説
概要
アイトヴァラス(Aitvaras)は、バルトのリトアニアの伝承に語られる霊で、隣の家から穀物や金、乳を盗んで主人の家に運び込む。家のなかでは雄鶏や黒猫、蟇蛙などの小さな生き物の姿をとり、空を飛ぶときは火の玉や長い松明、火の尾を引く竜や蛇の姿になる。夜空を流れる流星は、アイトヴァラスが飛ぶ姿とされた。ラトビアのプーキスにあたる。
神話・物語
急に豊かになった家は、アイトヴァラスを飼っているのではないかと噂された。同じように富を運ぶ家の霊は、ドイツのコボルトやセルビアのツィカヴァツにも見られる。
アイトヴァラスはリガやケーニヒスベルクの町で買えるとされ、そのときは炭や木切れ、甲虫の姿をしているという。悪魔ヴェルニアスから魂と引き換えに買うとも、年老いた雄鶏の産んだ卵を脇の下で温めると孵るとも、道で拾った品についてくるとも言われた。卵を混ぜた粥や撒いた穀物で手なずけることもできる。富をもたらす一方で、それは他人から奪った富であるため、飼い主は罰を受け、苦しい死を迎えるとされた。一度住みついたアイトヴァラスは容易に出ていかず、粗末に扱えば家に火を放つとも言われた。
図像と象徴
雄鶏と、火の尾を引く飛竜の二つの姿が定型である。主画像は、2012年にポーランドのクラクフで催された竜のパレードで、アイトヴァラスとして作られた竜の飾り物である。
系譜と関係
ヴェルニアスから買い取られる。ラトビアのプーキスと同じ存在とされる。
文化的足跡
家の精カウカスとしばしば混同される。現代のリトアニア語では「アイトヴァラス」は凧も意味する。