ユカタンのマヤが死者の国を指して用いた語。メトナル(Metnal)とも綴る。ディエゴ・デ・ランダの『ユカタン事物記』は、悪しき者が落ちて責め苦を受ける下の場所として記し、その主をフンハウと呼んだ。九層からなる地下界の最下層に置かれるとされる。
語源はナワトル語で死者の国を意味するミクトラン(Mictlan)であり、音位転換を経て借用されたものと考えられている。後古典期のメソアメリカで死後観が言語集団を越えて往来していたことを示す一例である。キチェ・マヤのシバルバーとしばしば同一視されるが、伝承の系統は別であり、両者を単純に重ねることはできない。