ロシアの口承叙事詩に登場する勇士の呼び名。語はテュルク語の baɣatur(勇者)に遡るとされる。イリヤー・ムーロメツ、ドブルィニャ・ニキーティチ、アリョーシャ・ポポーヴィチの三人がよく知られ、大公の宮廷に仕えながら、辺境の哨所に立って草原から来る敵を防ぐ。西欧の騎士物語と違い、恋愛はほとんど主題にならず、農民出身の勇士が最強とされる点にも特徴がある。ヴァスネツォフの絵画《ボガトィーリ》(1898年)が、その姿を近代ロシアの国民的な図像として定着させた。
GLOSSARIUM · BOGATYR