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ウピル
PLATE — УПИР / UPIÓR
SLAVI · スラヴ神話
УПИР / UPIÓR

ウピル

ウピル · ウピュル · オンプィル

ルネ・ド・モレーヌ《吸血鬼の処刑》 PUBLIC DOMAIN

スラヴとチュルクの民間伝承における吸血鬼の原型で、「ヴァンパイア」と同じ語にさかのぼる名を持つ。本来は血を吸うとは限らず、正しく葬られなかった死者が旱魃や疫病をもたらす存在であった。18世紀の吸血鬼騒動を経て西欧の文学的な吸血鬼が生まれた。

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解説

概要

ウピル(ウピュル)は、スラヴとチュルクの民間伝承に現れる、墓から戻ってくる死者である。英語の「ヴァンパイア」と同じスラヴの語にさかのぼる名で、吸血鬼の原型とみなされている。ただし本来のウピルは、必ずしも血を吸う存在ではなかった。旱や疫病をもたらす、正しく葬られなかった死者であった。

なお本サイトの分類では、スラヴ神話の体系に含めて扱う。

語の旅

ウピルの名は、東スラヴ語ではウピーリ(ロシア語)、ウピール(ウクライナ語)となり、南スラヴ語のヴァンピールを経て、ドイツ語、フランス語、英語へと入った。タタール語やチュヴァシ語などのチュルク諸語にも、ウブルという同じ根の語がある。この語がスラヴとチュルクのどちらに由来するかは、今も議論が続いている。ヴォルガ川流域から黒海北岸の草原にかけての、両者の長い接触がその背景にあると考えられている。

血を吸う前のウピル

正しく葬られなかった死者、自ら命を絶った者、教会から破門された者がウピルになるとされた。ウピルは旱や疫病、家畜の死をもたらすと恐れられたが、血を吸うという特徴が強調されるのは18世紀以降のことである。

その18世紀、ハプスブルク帝国の辺境では、墓を暴いて死体を調べる出来事が相次いだ。1732年には、セルビアのアルノルト・パウルの一件がドイツ語圏で広く報じられ、「ヴァンパイア」の語が西ヨーロッパに広まる。東欧の民間の信仰が、西欧の文学に登場する吸血鬼を生み出したのである。

墓から出さないために

ウピルを防ぐには、白楊(ポプラ)やサンザシの杭を打ち込む、首を切って足元に置く、遺体を焼くといった方法がとられた。墓に種を撒いておくという方法もあった。ウピルは撒かれた粒を一つずつ数えずにはいられないため、数え終わる前に夜が明けてしまうという。粒や網の目を数えずにいられないという性質は、各地の悪しき存在の伝承に見られる。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、ルネ・ド・モレーヌの《吸血鬼の処刑》である。

関わる伝承

吸血鬼の原型であり、スラヴの死者の霊の系列に連なる。

セルビアで最も名高い吸血鬼サヴァ・サヴァノヴィッチも、ウピルの系譜に連なる。

文化的足跡

「ヴァンパイア」は、スラヴ語から国際語になった語のなかで最も成功した例の一つである。

なおスラヴの民間伝承は今日も語り継がれており、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q4006277 — 骨格データの出典