土地公
福徳正神 · 土地神 · 伯公
特定の場所とそこに住む共同体を守る中国の守護神。場所ごとに別の神であり、神々の官僚制の末端に位置づけられる。白い髭の老人の姿で、福徳正神とも呼ばれる。
解説
概要
土地公(トゥディゴン)は、中国の特定の場所を守る守護神である。異なる場所にはそれぞれ異なる土地公が対応し、地域によっては複数の土地公がともに祀られる。
中国の民間信仰、仏教、儒教、道教において、土地とそこに住む共同体を守護する神格である。長い髭を持つ老人の姿で表される。
信仰
土地公の決定的な特徴は、特定の地理的な場所に限定されることである。ある場所の土地公は、別の場所の土地公ではない。
神々のうち最下位の一群に属し、城隍(都市の神)の下、地主神の上に位置づけられる。しばしば、地域の共同体に大きく貢献した特定の人物が、死後に土地公になったとみなされる。
人が居を移すときは、それまでの土地公に別れを告げ、新しい土地の土地公を拝む。土地公は町の役人のように任命された地位を持つと考えられ、異なる神格が異なる地域に配される。
后土(「地の女主」)が、すべての土地公、社稷(国家)、山神、城隍を統べる。
福徳正神という尊称でも呼ばれる。「福と徳をもたらす正しき神」の意である。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、台湾・桃園市の土地公文化館に安置された土地公像である。
図像は定型化されている。白い髭の老人が、椅子に坐して笑み、手に金の延べ棒や如意を持つ。妻の土地婆を伴うこともある。
この神格を規定するのは、場所への結びつきである。天の神々が普遍的であるのに対し、土地公は徹底して局所的である。村ごと、街区ごと、あるいは家ごとに祠があり、それぞれが別の神である。
役人になぞらえられる点も見逃せない。中国の民間信仰は、神々の世界を官僚制の写しとして構想した。土地公はその末端の役人にあたる。
関わる神格・伝承
后土の下に位置し、城隍の下に置かれる。竈神と並んで、日常生活に最も近い神格である。
文化的足跡
土地公の祠は、今日も中国、台湾、東南アジアの華人社会に無数に存在する。農暦二月二日の誕生日には各地で祭が営まれる。
日本語圏では、台湾旅行の文脈で「土地公廟」の名を目にすることが多い。