タニファ
タニファ · タニワ · Taniwha
川の淵・洞窟・危険な海に住むマオリの大きな超自然の存在。部族の守護者(カイティアキ)とされることも、女を攫う危険な存在とされることもある。2002年の高速道路計画への反対で全国的な議論となり、伝統的知識の位置を問うた。
解説
概要
マオリ神話において、タニファは、川の深い淵、暗い洞窟、あるいは海——とりわけ危険な潮流や、見分けのつかない波の砕ける場所——に住む大きな超自然の存在である。
人と場所のきわめて敬われるカイティアキ(守護者)とみなされることもあれば、一部の伝えにおいては危険で捕食的な存在——たとえば女を攫って妻とする——とみなされることもある。
姿
一定しない。鯨、鮫、蜥蜴、あるいは丸太のような姿で現れるとされる。
淡水のタニファは蜥蜴に似た姿、海のタニファは鯨か鮫の姿をとることが多い。
守護者としてのタニファ
多くの部族が、自らの守護者としてのタニファを持つ。
カヌーを導く。 移住の伝承において、タニファがカヌーをハワイキからニュージーランドへ導いたと語られる。ンガーティ・ファートゥアのタニファ、ワイカトのタニファなど、部族ごとに名がある。
川の主。 川のタニファは、その流域の守護者である。水の危険な場所を教え、あるいはそこを侵す者を罰する。
現代における位置
開発との衝突。 1990年代以降、道路や建設の計画に対して、その場所にタニファが住むという理由で反対が表明されることがあった。
2002年、ワイカトの高速道路計画に対してンガーティ・ナホが唱えたタニファの存在は、全国的な議論になった。
伝統的知識の位置。 この議論は、先住民の伝統的な信仰を現代の法と行政がどう扱うかという問題を提起した。
タニファが住むとされる場所は、実際に危険な水域であることが多い。伝承が環境の知識を保存しているという指摘もある。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。マラエ(集会所)の彫刻に、タニファを表す図案が用いられる。
関わる伝承
カイティアキ(守護者)の観念に属する。
文化的足跡
「タニファ」は今日のニュージーランド英語において、卓越した人物を指す比喩としても用いられる。
なおマオリとハワイの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承に関する学術的な整理である。