須菩提
スブーティ · 舜若多 · 空生
釈迦の十大弟子の一人で、解空第一・無諍第一と称される。生まれたとき家中の器が空になったという。般若経典で釈迦の対話の相手として繰り返し現れ、『金剛般若経』は全体がこの弟子との問答で構成される。
解説
概要
須菩提(しゅぼだい、梵 Subhūti)は、古代インドにおける釈迦十大弟子の一人であり、解空第一、被供養第一または無諍第一と称される。
経歴
出身には諸説があるが、一説にはコーサラ国の都シュラーヴァスティー(舎衛城)の須達多長者の弟、須摩那の子という。幼名は舜若多(シューニャタ、空性)で、生まれたとき家中の倉庫や箱、器がことごとく空になったことによると伝えられる。
もとは短気な性格だったともいわれるが、のちに非難や中傷を受けても言い争わなかったことから無諍第一、多くの人々から供養を受けたことから被供養第一と呼ばれる。
解空第一
「空」の理解において第一と称された。大乗仏教の般若経典群において、須菩提は釈迦の対話の相手として繰り返し現れる。
『金剛般若経』は、須菩提が釈迦に問い、釈迦がこれに答える形式をとる。「須菩提よ、菩薩は相に住して布施すべからず」——経の全体が、この弟子への呼びかけで構成される。
『大般若経』においても、須菩提は空の教えを説く役を担う。声聞の弟子でありながら、大乗の教えを説く立場に置かれている。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、敦煌本『金剛般若経』の須菩提の部分である(868年、現存最古の刊記をもつ印刷本)。
系譜と関係
十大弟子の一。般若経典の対話者。
『西遊記』において孫悟空に術を教える須菩提祖師は、この弟子の名を借りた小説上の人物であり、別人である。
なお仏教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその尊格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。