三星
三星 · 福禄寿 · 福星
木星・ミザール・カノープスを司る中国の三柱の星神で、福(幸運)・禄(俸禄)・寿(長寿)を体現する。寿星は長く突き出た額を持ち、見えにくいカノープスが長寿の稀さと結びつく。日本では福禄寿と寿老人として七福神に入った。
解説
概要
三星は、中国で幸福(福)、官位と俸禄(禄)、長寿(寿)をもたらす三柱の神で、福禄寿とも呼ばれる。それぞれ木星、北斗の星の一つ、カノープス(南極老人星)という三つの星を人の姿で表したものである。三柱を並べた像は中華圏の家庭や商店にきわめて広く置かれ、日本にも伝わって、七福神の福禄寿と寿老人になった。
なお本サイトの分類では、中国神話・道教の体系に含めて扱う。三柱が常に組で表されるため群記事とする。
三つの星、三柱の神
福星は木星(歳星)にあたり、幸運を授ける。子を抱く姿や巻物を持つ姿で表される。禄星は北斗の星(大熊座のミザール)にあたり、官位と俸禄を授ける。役人の服をまとい、笏を持った姿で表される。寿星はカノープス(南極老人星)にあたり、長寿を授ける。長く突き出た額を持ち、桃や鹿、鶴を伴う姿で描かれる。三つの天体が、それぞれ人の姿の神となっているのである。
寿星の額
寿星の額が異様に高く突き出ているのは、その大きな特徴である。寿星にあたるカノープスは、中国の緯度では地平線の近くにしか見えず、見えれば天下が太平である兆しとされた。めったに見えない星であることが、長寿のまれさと重ね合わされたのである。
日本の七福神へ
三星は日本にも伝わり、福禄寿と寿老人が七福神のなかに取り込まれた。中国では三柱で一組であるが、日本では福禄寿と寿老人が別々の神として数えられる。両者はもとは同じ寿星に由来するため、しばしば混同される。外から来た神が、受け入れる側の体系に合わせて数や役割を変えた例である。
家庭の神
中国の家庭や商店には、三星の像が置かれている。向かって右から、福、禄、寿の順に並べるのが通例である。「福禄寿」の三字は、幸福と俸禄と長寿を意味するめでたい言葉として用いられる。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、バンコクの中国寺院の三星像である。
関わる神格・伝承
日本では福禄寿と寿老人として七福神に入った。
文化的足跡
三星の像は中華圏の家庭や商店にきわめて広く置かれ、今日の中国の民間信仰で最も身近な神々の一つである。
なお道教と中国の民間信仰は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。