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愛染明王
PLATE — RĀGARĀJA
DHARMA · 仏教の尊格
RĀGARĀJA

愛染明王

愛染王 · 吒枳王 · ラーガラージャ

永厳筆 愛染明王図(1139年、龍谷大学図書館蔵) PUBLIC DOMAIN

真紅の身色で獅子冠を戴き、六臂に弓矢を持って蓮上に坐す明王。密号「離愛金剛」は愛欲を離れるのではなく大欲に転じる意。金剛薩埵の化身で、縁結びと染物の守護神として民間に信仰される。

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解説

概要

愛染明王(梵 rāgarāja)は、仏教の信仰対象であり、密教特有の憤怒相を主とする尊格である明王の一つ。愛染王とも。

金剛薩埵の化身で、通常は十七尊、ときに三十七尊を眷属とする。

名と密号

『覚禅鈔』には愛染明王の異名として「吒枳王」を挙げ、『妙吉祥平等秘密最上観門大教王経』には吒枳王が「大愛明王」と訳されている。

愛染明王の密号は「離愛金剛」である。ここでの「離」は生死の業となる因子の煩悩や渇愛を離れる意味で、「愛」は菩提(覚り)の妙果を愛する意味であるので、「離愛金剛」は「愛欲(煩悩)を離れ、大欲に変化せしむ」の意味となる。

愛欲を否定するのではなく、それをそのまま悟りへの力に転じるという密教の思想が、この密号に集約されている。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、永厳筆の愛染明王図である(1139年、龍谷大学図書館蔵)。

一面六臂で他の明王と同じく忿怒相であり、頭には獅子の冠をかぶり、宝瓶の上に咲いた蓮の華の上に結跏趺坐で座るという、大変特徴ある姿をしている。その身色は真紅であり、後背に日輪を背負って表現されることが多い。

六臂のうち、右第二手に五鈷杵、左第二手に五鈷鈴、右第三手に矢、左第三手に弓を持つ。矢と弓は愛欲を射る——あるいは煩悩を射抜く——ものと解される。

日本では座像で表されることが圧倒的に多く、立像はきわめて稀である。

関わる神格・伝承

金剛薩埵の化身。五大明王には含まれず、独立して信仰される。

愛染明王は縁結び、恋愛成就の仏として民間で広く信仰された。同時に、染物・織物の守護神としても祀られ、「愛染」を「藍染」に通わせて染物業者の信仰を集めた。

文化的足跡

奈良・西大寺の愛染明王像(鎌倉時代、叡尊発願)が代表作として知られる。明恵上人が愛染明王を本尊として修法を行ったことも有名である。

日本では今日も縁結びの仏として参拝され、各地の愛染堂が知られる。

なお仏教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその尊格の伝承と図像に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q1188900 — 骨格データの出典