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ラデガスト
PLATE — RADEGAST
SLAVI · スラヴ神話
RADEGAST

ラデガスト

ラドゴスト · レディガスト · リーデゴスト

ゲオルク・シュパラティン『ザクセン年代記』(1530年頃、ヴィッテンベルクのルーカス・クラナッハ工房)の図版より PUBLIC DOMAIN

中世の年代記がレトラの神殿の主神とするポラーブ・スラヴの神。名は「客を喜んで迎える者」を意味する。現在は太陽神スヴァロジチの地域的別名とみる説が優勢である。

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解説

概要

ラデガスト(Radegast、ラドゴスト Radogost とも)は、中世の年代記作者によれば、レトラに神殿を持つポラーブ・スラヴ人の神である。

ただし現代の学界で優勢なのは、ラデガストが太陽神スヴァロジチの地域的な添え名あるいは別名だとする見方である。より早い時期の史料は、レトラの主神をスヴァロジチとしている。さらに、スヴァロジチを主神とする町の名が、誤って神名として受け取られたとみる研究者もいる。

神話・物語

この神名に言及する最初の史料は、ブレーメンのアダムの『ハンブルク教会史』である。

そこにはこう記されている——メクレンブルクの町で他のキリスト教徒とともに捕らえられた老司教ヨハネスは、凱旋の見世物にするため生かされていた。キリストを告白したために鞭打たれ、スラヴ人の町を順に引き回されて嘲られたが、キリストの名を捨てさせることはできなかった。そこで手足を切り落とされ、体は路上に投げ捨てられた。ただしその前に頭を切り取り、異教徒たちはそれを槍に刺して、勝利の証として神ラデガストに捧げた。これはスラヴ人の首都レトラで、十一月のイードゥスの四日前に起きた。

同じくアダムはこうも書く——彼らのうち中央に位置するのがきわめて強大なレダリー族であり、その名高い首都が偶像崇拝の座レトラである。そこには悪霊たちに捧げられた大きな神殿が建てられており、その長がラドゴストである。像は黄金で作られ、天蓋は紫で飾られている。

アダムに続き、ヘルモルトも『スラヴ年代記』でこの神に言及し、毎年の犠牲と、神殿に付属する神託の利用について記す。彼はこの神を「オボドリート族の神」とも呼ぶ。1135年の『アウクスブルク年代記』は、ハルバーシュタット司教ブルヒャルト2世によるレトラの破壊を伝え、司教が現地で「神として崇められていた馬」を連れてザクセンへ帰ったと記す。この神に言及する最後の史料は『エプストルフ殉教者受難録』である。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、ゲオルク・シュパラティンの『ザクセン年代記』(1530年頃、ヴィッテンベルクのルーカス・クラナッハ工房)に描かれた図版である。「メクレンブルクのラデガスト」ほか、スラヴの神々が並ぶ。

これは16世紀の図像であり、異教期の神像の写生ではない。宗教改革期のドイツにおいて、スラヴの異教がどう思い描かれたかを示す資料と見るべきものである。この神を描いたと確実に言える中世以前の作例は知られていない。

名の解釈は明快である。前半は形容詞 rad(「喜んで」、それ以上の語源は不確か)を含み、後半は名詞 gost(「客」、印欧祖語 *gʰostis に由来。ゴート語 gasts「客」、ラテン語 hostis「異邦人」と同源)を含む。名は「客を喜んで迎える者」あるいは「客をよく世話する者」と訳しうる。

もとをたどればスラヴ祖語の人名 *Radogostъ である。クロアチア語 Radogost、古ポーランド語 Radogost、古スロヴェニア語 Radegost。6世紀のギリシア語史料に見えるスラヴの族長アルダガストス(Αρδάγαστος)が、音位転換以前の形として最も早い例かもしれない。この名に所有の接尾辞を付した形が、スラヴ圏の各地に多くの地名を生んだ。ポーランドの村ラドゴシチ、チェコのラドホシュチ山、セルビア・クロアチアのラドゴシタ、ロシアのラドゴシチなどである。

関わる神格・伝承

ティートマルは『年代記』(1018年頃)で、ポラーブのラドゴシチにおいて最も崇められていた神はスヴァロジチ(太陽神と認められる)だと述べる。同じ町を、約五十年後にブレーメンのアダムはレトラの名で記し、その主神をレディガストとする。この食い違いから、ラデガストはポラーブのスヴァロジチの別名、あるいは地域的な添え名であると一般に考えられている。ラド(ゴスト)=スヴァロジチ、あるいはスヴァロジチ/ラドゴストと併記されることも多い。

一方で、そもそも町の名が神名として誤解されたのだとする研究者もいる。地名から神が生まれたという構図は、アイルランドのタルティウをめぐる議論とも通じる。

文化的足跡

チェコ共和国には、この神にまつわる根強い地域伝説がある。モラヴィア・シレジア地方のラドホシュチ山には20世紀に建てられた神像があり、観光の対象になっている。同名のビール銘柄も広く知られる。

中世の年代記が伝えた一行の記述が、地名を経て近代の地域アイデンティティに接続する。スラヴの異教についての情報がほとんどキリスト教徒の筆によることを思えば、この神の「復活」が近代の産物であることは押さえておく必要がある。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q570611 — 骨格データの出典
Commons
Radegast (god) — 図像カテゴリ