ポリアフ
ポリアフ · Poliʻahu · Poliahu
マウナ・ケアに住むハワイの雪の女神で、火の女神ペレの敵。橇の競技でペレと争い、雪の衣を投げて溶岩を冷やした。北の活動を停止した火山を雪の女神が、南の活火山を火の女神が領するという地理と神話の対応がある。
解説
概要
ハワイ神話において、ポリアフ(「衣に覆われた胸」あるいは「聖なる胸」)は、四柱の雪の女神の一柱であり、いずれもペレの敵である。
海底から測れば世界で最も高い山であるマウナ・ケアに住むとされた。
雪の女神たち
四柱の雪の女神は、ポリアフ、リリノエ、ワイアウ、カホウポカーネである。
いずれもマウナ・ケアに住み、火の女神ペレと対をなす。
熱帯の雪。 ハワイ島のマウナ・ケア(4,207メートル)とマウナ・ロアの山頂には、冬に雪が積もる。熱帯にありながら雪を戴く山である。
この特異な事実が、雪の女神という神格を生んだ。
ペレとの争い
橇。 ポリアフがハーマークアで橇(ホルア)の競技を見ていたとき、美しい見知らぬ女が現れた。ポリアフは彼女を招いたが、競技に負けた女は正体を現した。ペレであった。
ペレは溶岩を放った。ポリアフは雪の衣を投げて溶岩を冷やし、固めた。
山の分割。 二人は山を分けた。マウナ・ケアの北側はポリアフのもの、南側とキーラウエアはペレのものとされた。
地質学との対応。 マウナ・ケアは活動を停止した火山であり、山頂に雪が積もる。マウナ・ロアとキーラウエアは活火山である。
北の死んだ火山を雪の女神が、南の生きた火山を火の女神が領する——地理と神話が対応する。
アイヴォヒクプア
カウアイ島の首長アイヴォヒクプアは、ポリアフと恋に落ちた。
しかし彼にはすでに婚約者がおり、ポリアフはこれを知って去った。彼が近づくと、ポリアフは交互に灼熱と極寒を送り、ついに彼を退けた。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
白い衣をまとった女として表される。マウナ・ケアの雪がその衣である。
関わる神格・伝承
ペレの敵。リリノエらの雪の女神。
文化的足跡
マウナ・ケアは、ハワイ先住民にとって最も聖なる山である。
2014年以降、山頂の三十メートル望遠鏡(TMT)建設計画に対して、先住民による大規模な反対運動が続いている。聖地の保護と天文学研究のあいだの対立として、国際的に注目されている。
なおハワイ・サモア・トンガ・タヒチの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承に関する学術的な整理である。