ポイアース
ポイアス · Poeas · Poias
ピロクテーテースの父。誰も従わなかったヘーラクレースの火葬壇に火をつけ、その弓を譲られた。この弓がトロイア戦争の勝利の条件となる。タロースを射殺したという説もある。
解説
概要
ポイアース(Ποίας / Poias)は、テッサリアのメリボイアの人で、ピロクテーテースの父である。ヘーラクレースがオイテー山で自らを焼くとき、誰も従わなかった点火の役を引き受け、その礼に英雄の弓を譲られた。この弓がのちにトロイア攻略の鍵となる。
神話・物語
アポロドーロス(2.7.7)によれば、毒の衣に苦しむヘーラクレースはオイテー山に薪を積ませてその上に登り、火をつけるよう命じたが、誰も応じなかった。そこへ迷った羊を探して通りかかったポイアースが火を放ち、ヘーラクレースは礼として彼に弓を与えた。
ソポクレース『ピロクテーテース』など多くの伝えでは、火をつけて弓を受け取ったのは息子のピロクテーテースとされる。父と子のどちらであれ、ヘーラクレースの弓がこの家に渡ったことは一致している。
ポイアースはイアーソーンの遠征にも加わったとされる(アポロドーロス1.9.16)。クレータ島で青銅の巨人タロースが一行を阻んだとき、ポイアースがその踵の血管を射て倒したとする伝えがある(アポロドーロス1.9.26。メーデイアの術によるとする伝えと並べて記す)。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父はタウマコス、妻はデーモーナッサ。子はピロクテーテース。
文化的足跡
トロイア戦争の後半、予言者ヘレノスは、ヘーラクレースの弓なしにはトロイアは落ちないと告げた。そのためオデュッセウスとネオプトレモスが、レームノス島に置き去りにされていたピロクテーテースを迎えに行く。ポイアースの受け取った弓は、この筋を通じてトロイア陥落の条件になった。