ペンテシレイア
ペンテシレア · ペンテジレーア · Penthesilea
アレースの娘でアマゾーンの女王。トロイア戦争の末期にトロイアに来援してアキレウスと一騎打ちし、討たれた。兜が外れたその顔の美しさにアキレウスは心を打たれたという。エクセキアスの壺絵や、クライストの戯曲でも知られる。
解説
概要
ペンテシレイア(Πενθεσίλεια)は、ギリシア神話に登場するアマゾーンの女王である。アレースとオトレーレーの娘で、トロイア戦争の末期にトロイア方に加わり、アキレウスと一騎打ちして討たれた。
神話・物語
ヘクトールの死後、ペンテシレイアはアマゾーンの一隊を率いてトロイアに来援した。アポロドーロスによれば、彼女は心ならずも姉妹ヒッポリュテーを殺し、プリアモスに穢れを祓われた。スミュルナのクイントゥスは、狩りの最中に鹿を狙った槍で誤ってヒッポリュテーを殺したとする。
ペンテシレイアは多くのギリシア兵を討ったが、ついにアキレウスと対決し、槍に貫かれて死んだ。兜が外れてその顔が現れたとき、アキレウスはその美しさに心を打たれたという。この場面を嘲ったテルシーテースを、アキレウスは殴り殺した。

この物語は、失われた叙事詩『アイティオピス』が語っていたことが要約から知られ、後3〜4世紀のスミュルナのクイントゥス『ホメーロス後日譚』第1巻に詳しい。
図像と象徴
アキレウスがペンテシレイアを刺す場面は、ギリシアの壺絵の主題となった。エクセキアス作の黒絵式アンフォラ(前530年頃、大英博物館蔵)は、槍が喉を貫く瞬間に見つめ合う二人を描く。ミュンヘンの古代美術博物館にある赤絵の杯(前460年頃)も同じ場面を表し、その画家はこの杯にちなんで「ペンテシレイアの画家」と呼ばれる。

本サイトが掲げるのは、ルーヴル宮殿のクール・カレの東面にある、ガブリエル=ヴィタル・デュブレーの彫刻《ペンテシレイア》(1862年)である。
系譜と関係
父はアレース、母はアマゾーンの女王オトレーレー。姉妹にヒッポリュテー、メラニッペーがいる。討ち手はアキレウス。アマゾーンの女王としては、ヘーラクレースの帯の功業の相手ヒッポリュテー、テーセウスの妻アンティオペーと並ぶ。
文化的足跡
ハインリヒ・フォン・クライストの戯曲『ペンテジレーア』(1808年)は、筋を大きく変えた。ペンテジレーアはアキレウスを愛しながら、狂乱のなかで彼を殺し、犬とともにその体を引き裂く。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。