オリ
オリ · Ori · Orí
「頭」を意味するヨルバの運命の概念にしてオリシャ。人は生まれる前に天で自らのオリを選ぶが、その内容を忘れて生まれる。いかなるオリシャより先に自らのオリを祀るべきとされ、貝で覆われた容器イグバ・オリで表される。
解説
概要
オリは、ヨルバの形而上学的な概念である。
オリは字義どおり「頭」を意味し、人の霊的な直観と運命を指す。人間の本質に埋め込まれた意識の反照する火花であり、それゆえしばしばそれ自体がオリシャとして人格化される。
ヨルバの宗教において、人はオリシャと働くことで均衡のとれた性格(イワ・ペレ)に至り、霊的にも身体的にも自らを癒すことができると信じられる。
なお本サイトの分類では、アフリカの体系に含めて扱う。
運命の選択
ヨルバの信仰において、人は生まれる前に天(オルン)で自らのオリを選ぶ。
倉庫に無数のオリが積まれており、人はそのうち一つを選んで地上へ来る。良いオリを選べば良い一生を、悪いオリを選べば苦しい一生を送る。
しかし選んだ内容は、地上へ来た瞬間に忘れられる。人は自らが何を選んだかを知らずに生きる。
運命を知る術。 イファの占いは、その人のオリが何であったかを知る手段である。占いによって定められた運命を知り、それに沿って生きることが求められる。
イグボのチと同じく、個人の運命が霊として人格化されている。
オリの祭祀
自らのオリに祈ることは、ヨルバの宗教における最も基本的な実践である。
「オリを養う」(ボリ)と呼ばれる儀礼において、人は自らの頭に供物を捧げる。椰子油、蜂蜜、水などを頭に塗り、あるいは食物を供える。
イグバ・オリ。 「オリの容器」と呼ばれる、貝で覆われた円錐形の器が、その人のオリを表す。
いかなるオリシャよりも自らのオリを先に祀るべきであるとされる。「オリのないオリシャはない」——他の神々も、その人のオリが許さなければ助けられない。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、イグバ・オリ(オリの容器)である。
自分自身の頭が神であるという点が、この観念を規定する。外部の神ではなく、内なる運命が第一の祭祀の対象である。
関わる神格・伝承
オルンミラのイファ占いと結びつく。イグボのチに対応する。
文化的足跡
ヨルバの頭部彫刻——王の頭像、装飾された冠——は、オリの重要性に対応する。頭が身体の他の部分より大きく作られるのは、この観念による。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。