メディトリーナ
メディトリナ · Meditrina
10月11日の新酒の祭メディトリーナーリアの起源を説明するため、後期ローマで創出された健康と酒の女神。2世紀のフェストゥスが最初に結びつけた。「古い酒と新しい酒を飲む、古い病と新しい病を癒すために」と唱えた。
解説
概要
メディトリーナーリアは、伝統的なローマの宗教の祭で、10月11日に新酒を祝って営まれた。新酒は各年初めて神々への献酒として捧げられた。今は不明瞭だが、祭はおそらくメデンドー——ラテン語で「癒す」——にちなんで名づけられた。ローマ人はこのとき新酒を飲み始め、古酒と混ぜて癒しの力があると考えたためである。
メディトリーナーリアについての情報は初期ローマ宗教からほとんど残らなかったが、伝統自体は残った。ユーピテルと何らかの形で結びつき、初期の農耕的なローマにおいて重要な儀礼であったことは知られるが、それ以上は推測しかない。
女神の創出
女神メディトリーナは、祭の起源を説明するための後期ローマの創作であるとみられる。メディトリーナーリアをこの女神と結びつけた最初の記述は、2世紀の文法家セクストゥス・ポンペイウス・フェストゥスのものであり、これに基づいて現代の資料はメディトリーナを健康、長寿、酒のローマの女神と主張し、「癒す女」という語源的な意味を提案する者もいる。
祭の名から女神が逆算されたという経緯が、この女神を規定する。祭が先にあり、その名を説明するために女神が作られた。ローマの祭のなかには、このように神が後付けされた例が複数ある。
祭
ウァッローによれば、祭では「古い酒と新しい酒を飲む、古い病と新しい病を癒すために」と唱えながら酒を飲んだ。新酒の最初の献酒が神々に捧げられ、以後の飲用が許された。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、フランス・グラン(古代アンデシーナ)出土のメディトリーナの浮彫である。
酒と癒しの結びつきが、この女神の性格である。古代において酒は薬であり、新酒と古酒を混ぜることに治癒の力が認められた。
関わる神格・伝承
ユーピテルと結びつく。酒の神リーベルとも職能が重なる。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。祭の名から神が創出された例として、宗教史において言及される。