マニア
マネア · Mania · Manea
エトルリア・ローマの死者と霊の女神で、ラレースとマーネースの母。辻の祭で毛糸の人形が捧げられ、かつては子供が犠牲にされたという。母親が子供を脅す醜い老婆の姿で、その名は醜い仮面を指す語になった。
解説
概要
古代エトルリアとローマの神話において、マニア(Mania、マネアとも)は死者、霊、混沌の女神であった。亡霊、不死者、その他の夜の霊、そしてラレースとマーネースの母と言われた。
マントゥス(エトルリア語マント)とともに冥界を支配した。
マニアはラレースとともに、生者を害さないよう関心を逸らすために供物を受けた。この行事は、サートゥルナーリアの数日後に営まれる辻の祭コンピターリアのなかで行われた。
名
その名はマーネース——死者の霊——と結びつき、「マーニウス」の名とともに冥界の語彙に属する。
祭祀
コンピターリア——辻の祭——において、マニアとラレースに毛糸の人形が捧げられた(フェストゥス)。マクロビウス『サトゥルナーリア』1.7.34–35 によれば、タルクィニウス・スペルブスの代には、家族の無事のために子供をマニアに捧げる慣行があったが、王を追った執政官ユニウス・ブルートゥスがこれを大蒜と芥子の頭に替え、以後は家々の戸口にマニアの像を吊るして災いを祓うようになったという。子供の代わりに人形を吊るす習俗は、マニアが子供の霊を求めるという観念に対応する。
ローマの母親は、言うことを聞かない子供を「マニアが来る」と脅した。醜い老婆の姿が、子供を怖がらせるために用いられた。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
醜い仮面が、マニアの表現とされる。ラレースの祭で用いられる仮面はマニアエと呼ばれ、恐ろしい顔をしていた。「マニア」という語自体が、醜い仮面を指す普通名詞として用いられた。
死者の母という位置が、この女神を規定する。ラレース——家の守護神——の母が死者の女神であるという系譜は、ラレースが本来祖霊であったという説を支持する。
関わる神格・伝承
ラレースとマーネースの母。マントゥスと冥界を支配する。
ギリシアの狂気の女神マニアー(マニアエ)とは別の存在だが、名の類似から混同されることがある。
文化的足跡
「マニア」(狂気、熱狂)はギリシア語に由来し、ローマの女神とは語源が異なる。ただし両者は近世以降しばしば結びつけられた。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。