藍采和
らんさいか · 養素 · Lan Caihe
破れた藍色の衣に片足だけ靴を履き、拍板を打って踏歌を歌い歩いた八仙の一人。その歌には仙道の教えが込められていたが誰も気づかなかった。酒楼で鶴に乗って昇天した。性別も年齢も定まらず、暗八仙は花籠。
解説
概要
藍采和(らん さいか)は、中国の代表的な仙人である八仙の一人。字は養素。唐の人とされる。
少年、青年、女性といったさまざまな説があり、性別も年齢も定まらない。
伝承
いつも破れた藍色の長衫に、三寸幅ほどの黒い木の皮を腰帯代わりに巻いており、腰には墨で汚れた板をぶら下げている。片足には穴の空いた靴を履き、もう片足は素足であった。
夏は上着の下に綿入れを重ね、猛暑のなか遊びまわっても汗をかかない。冬には服を脱いで単衣になり雪のなかを遊びまわるが、吐く息は全く白くならず、雪のなかで寝ても体から湯気が出ていたという。
町へ出ては、長さ三尺余りの大きな拍板(拍子木)でリズムを取りながら「踏歌」という新体詩を歌い、酔えば踊り、老若男女はみな彼の後をついてまわって面白がっていた。
その歌はよく聞くと、思いつくままに口から出まかせを歌っているようだが、実は仙道の教えが込められていた。しかし誰一人それに気づく者はいなかった。
昇天
ある日、酒楼で酔って歌っていたとき、雲のなかから鶴の鳴き声と笙の音が聞こえた。藍采和は靴と衣と腰帯と拍板を捨てて、鶴に乗って昇っていったという。
捨てた品々は、地に落ちるとたちまち消えた。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、藍采和の古い木版画である。
花籠が暗八仙である。花を摘んで籠に入れ、これを担いで歩く姿で表される。
性別と年齢が定まらないという点が、この仙人を規定する。少年とも女とも描かれ、八仙の図において最も姿が一定しない。
関わる神格・伝承
八仙の一。
文化的足跡
元曲『藍采和』は、この仙人を主人公とする戯曲であり、俳優の生活を描いた作品としても知られる。
なお道教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。