ジャシ・ジャテレ
ヤシ・ヤテレ · Jasy Jatere · Yasy Yateré
グアラニー神話の「月の小さな一片」。七人の呪われた子のうち唯一怪物でなく、金髪の美しい小人として描かれる。昼寝の時刻に外で遊ぶ子供を口笛で森へ連れ去る。マテ茶の守護者。
解説
概要
ジャシ・ジャテレは、グアラニー神話の重要な存在の名である。タウとケラナの七人の呪われた子の一人で、南米のグアラニー語圏——とりわけパラグアイ——における最も重要な神格の一つである。
なおグアラニーは南米低地の民族であり、本サイトの分類ではアンデス(インカ)の体系に含めず「その他」に置く。
伝承
ジャシ・ジャテレは文字どおり「月の小さな一片」を意味し、兄弟のなかで唯一、怪物の姿をしていない。通常、小柄な男あるいは子供として描かれ、明るい金髪で、ときに青い目を持つ。美しく、魅惑的とさえ描かれ、魔法の杖——ときに黄金の杖——を携える。衣服については伝えられない。
兄弟の多くと同じく野に住み、マテ茶の守護者とされる。
最もよく知られる伝えでは、ジャシ・ジャテレは昼寝の時刻(シエスタ)に現れる。昼寝をせずに外で遊ぶ子供を、口笛で呼び寄せ、森へ連れ去る。連れ去られた子供は蜂蜜と果実を与えられ、やがて返されるが、口がきけなくなっているという。
子供を昼寝させるための脅しとして、この伝えは今日も用いられる。
図像と象徴
固有の古い図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
この存在を規定するのは、美しさと危険の同居である。兄弟が怪物であるのに対し、ジャシ・ジャテレは美しい。しかしその美しさが子供を誘う。金髪と青い目という描写は、ヨーロッパ人との接触以降に付け加えられた可能性が指摘されている。
昼寝の時刻——正午の熱のなかで人が眠る時間——に現れるという設定は、子供が外で遊ぶことの危険(日射病、迷子)を人格化したものと読める。
関わる伝承
父はタウ、母はケラナ。兄弟はクルピー、テジュ・ジャグア、ムボイ・トゥイ、モニャイ、アオ・アオ、ルイソン。
魔法の杖は、これを奪えばジャシ・ジャテレは力を失うとされる。
文化的足跡
パラグアイでは、「ジャシ・ジャテレが来るよ」という言葉が、子供を昼寝させる常套句として今日も用いられる。
なおグアラニーの伝統は今日も継承されている生きた信仰である。