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PLATE — ИНДРИК-ЗВЕРЬ
SLAVI · スラヴ神話
ИНДРИК-ЗВЕРЬ

インドリク

インドリク=ズヴェーリ · インドリクの獣 · Indrik

『鳩の書』とロシアの民間伝承に語られる獣の王。聖なる山に住み、身じろぎすれば大地が震えるという。名はロシア語の「一角獣」が崩れた形である。

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解説

概要

インドリク(ロシア語 Индрик-зверь、インドリク=ズヴェーリ、すなわち「インドリクの獣」)は、『鳩の書』とロシアの民間伝承に語られる幻獣である。

すべての獣の王であり、他の何者も足を踏み入れられない「聖なる山」に住む。身じろぎすれば大地が震えるという。

登場する物語

『鳩の書』(Голубиная книга)は、中世ロシアの霊的詩篇である。世界の成り立ちについての問いと答えを韻文で連ねたもので、そこに獣の王としてインドリクが現れる。

伝えられているのは、その住処と、動くだけで大地が揺れるという一点に尽きる。物語らしい物語はない。それでもこの獣が記憶されてきたのは、獣の階層の頂点という位置を占めているためである。鳥の王、魚の王、石の王と並んで、獣の王が数え上げられる——そうした宇宙の目録のなかに、この名は置かれている。

図像と象徴

古い図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。近年コモンズに投稿された画像は生成AIによる可視化であり、資料としての価値を持たない。

姿の描写は文章に残っている。巨大な牡牛の体に、鹿の脚、馬の頭、そして鼻先に巨大な一本の角。犀に漠然と似た姿である。

名の由来がこの獣の性格を語っている。インドリクという語は、ロシア語で一角獣を意味する единорог(イェジノローグ)が崩れた形である。中世ロシアに入った一角獣の観念が、口承のなかで音を変え、独自の獣として自立した。外来の語が訛るうちに新しい存在を生むという経路は、民間伝承にしばしば見られる。

関わる伝承

ヨーロッパのユニコーンと語源を共有するが、姿も性格も別のものになっている。ユニコーンが馬に似た清らかな獣であるのに対し、インドリクは大地を揺るがす巨獣である。

一角の巨獣という点では、シベリアで化石が発見されるエラスモテリウム——氷期の巨大なサイ——との関係が推測されることもある。ただし証明された関係ではない。

文化的足跡

この幻獣の名は、古生物学に残った。史上最大の陸生哺乳類パラケラテリウムの異名インドリコテリウム(Indricotherium)は、この獣にちなむ。1916年にロシアの古生物学者アレクセイ・ボリシャークが命名したもので、鼻先に角を持つ巨獣という民間伝承の像が、実在した巨大なサイ類の名として採用された。

伝承上の獣の名が、学名として国際的に流通する。ロシアの霊的詩篇に現れる獣の王が、中央アジアの地層から出た骨に名を与えたことになる。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q2633489 — 骨格データの出典
Commons
Indrik — 図像カテゴリ