ウェマク
ウェマク · ウェイマク · 大きな手
トルテカ国家の最後の王とされる伝説上の人物。その治世にテスカトリポカが裸の商人に変じて災いをもたらし、トルテカは滅びた。チャプルテペックの洞窟で首を吊り、以後その霊がアステカ王の託宣に応じたという。
解説
概要
メシカの伝説的な伝承において、ウェマク(ウェイマク、ウェマクとも綴る。11世紀頃)は、トゥーラ/トッランの崩壊以前の、同じく伝説的で半ば神話的なトルテカ国家の最後の王として記される。
その名は伝統的に「大きな手」と訳されるが、他の研究者は「大きな贈り物」がより的確な訳であると主張する。
この人物についてのすべての情報は、その治世とされる時期の数世紀後に書かれたアステカの文献に由来する。
伝説
ウェマクの治世に、トゥーラは災いに見舞われた。旱魃、飢饉、そして怪異が続いた。
トラカワパンの物語。 テスカトリポカが裸の商人トラカワパンに変じて市場に現れた。ウェマクの娘がこれを見て恋に落ち、病んだ。
ウェマクは商人を探し出して娘と結婚させた。トルテカの人々は、王が外来の者に娘を与えたことに怒った。
テスカトリポカはさらに災いを重ね、ついにトルテカは滅びた。
神が国を滅ぼす。 王の失策ではなく、神の悪意によって国が滅びるという構成である。
最期
ウェマクはチャプルテペックの洞窟へ逃れ、そこで首を吊って死んだという。
以後、その霊がチャプルテペックに住むとされた。アステカの王は、災いの前兆があるとこの洞窟に伺いを立てたという。
滅びた国の王が、次の国の託宣を与える。 トルテカを継ぐと称したアステカにとって、その最後の王の霊は重い意味を持った。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
トピルツィンと同時代、あるいはその後継とされる。テスカトリポカに滅ぼされた。
トルテカの崩壊は、考古学的には11〜12世紀のトゥーラの放棄に対応するとみられる。ただし伝承と考古学の対応は確定していない。
文化的足跡
チャプルテペックは、今日のメキシコシティの大公園である。アステカ期には聖なる泉と洞窟の地であった。