エレグア
エレグア · エレグバ · エレグバラ
ヨルバのエシュの別名エレグバラ(「力の主」)に由来する道のオリシャで、キューバのサンテリア、ブラジルのカンドンブレなどアフリカ系ディアスポラの宗教で広く祀られる。キューバでは子供の姿のいたずら好きな門番として、すべての儀礼の最初に祀られる。
解説
概要
エレグアは、アフリカ系の宗教で祀られる神で、西アフリカのヨルバの人々の道と十字路の神エシュの別名エレグバラ(「力の主」)に由来するオリシャ(神格)である。キューバのサンテリアやブラジルのカンドンブレなど、大西洋を渡ったアフリカ系の人々の宗教で広く祀られる。キューバでは、道を開くいたずら好きの子供の姿の門番として、あらゆる儀礼の最初に祀られる。
信仰
ヨルバの地では、エレグバラはエシュの添え名であり、同じ一つの神を指していた。ところがキューバのサンテリアでは、エレグアとエシュは区別されるようになった。エレグアは道を開く比較的穏やかな子供の姿の神、エシュはより荒々しく危険な、エレグアの別の姿あるいは仲間とされたのである。
エレグアは、道と十字路と門を守る。サンテリアのあらゆる儀礼は、エレグアへの祈りから始まる。エレグアが道を開かなければ、ほかのオリシャに祈りが届かないからである。儀礼のはじめに祀られて障害を取り除く役目は、ヒンドゥーのガネーシャや、南インドのヴィシュヌ派のヴィシュヴァクセーナとも共通している。
キューバのエレグアは、いたずら好きの子供の姿で現れ、飴や玩具が供えられる。キリスト教の聖人と重ね合わされ、聖アントニオや、アトーチャの幼子イエスと結びつけられた。家の戸口には、子安貝で目と口をかたどった石やセメントの頭が、エレグアとして置かれる。
図像と象徴
主画像は、ナイジェリアのオヨで作られたエシュの杖(1890〜1910年頃)である。
系譜と関係
エシュの別名に由来し、ハイチの十字路の神パパ・レグバと同じ系統に属する。
文化的足跡
エレグアは、キューバの音楽や文学に最も頻繁に登場するオリシャの一柱である。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。