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ドゥク
PLATE — འབྲུག
DHARMA · 仏教の尊格
འབྲུག

ドゥク

ドゥルック · 雷竜 · 'brug

Wikimedia Commons PUBLIC DOMAIN

チベットとブータンに伝わる竜。その名は「竜」と「雷」の双方を意味し、雷鳴は竜の咆哮とされる。ブータンを象徴し、国旗の中央に描かれる。

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解説

概要

ドゥク(チベット語 འབྲུག, 'brug)は、チベットおよびブータンに伝わる竜であり、その名はそのまま「竜」と「雷」の双方を意味する。雷鳴は天を駆けるドゥクの咆哮であると信じられ、雷は「竜の声」と表現された。水を司るナーガ(チベット語でル)とは区別される、天空と雷の霊獣である。今日ではブータンの国を象徴する存在として広く知られる。

由来と物語

ドゥクの名が特別な意味を帯びたのは、チベット仏教のドゥク派(ドゥクパ・カギュ派)の成立にまつわる伝承による。開祖ツァンパ・ギャレー(1161〜1211)が僧院を建てようとしたとき、天に激しい雷鳴が三度とどろいたという。またその地に至ったとき、九匹の竜が天へ昇るのを目撃したとも伝えられる。これを吉兆と見て、彼はその僧院をドゥク(雷竜)僧院と名づけ、そこに興った法流はドゥクパ、すなわち「雷竜の人々」と称された。十七世紀にこの宗派がブータンの国教となると、ブータン自体がドゥク・ユル(雷竜の国)と呼ばれるようになった。

図像と象徴

ドゥクの姿を最もよく伝えるのは、ブータンの国旗である。黄と橙に斜めに分かたれた地の中央に、白い一匹のドゥクが描かれ、四肢に宝珠を握る。宝珠は国の富と繁栄を、白い体は諸民族の純粋と忠誠を表すとされる。地の黄は国王(ドゥク・ギャルポ、雷竜王)の世俗の権威を、橙はドゥクパ・カギュ派の精神的伝統を示す。寺院や城砦(ゾン)の装飾にも、うねる竜の意匠が繰り返し用いられる。

関わる伝承

ドゥクはチベット暦の十二支にも組み込まれ、漢暦や和暦の辰年にあたる年は、チベット暦で「ドゥクの年」となる。水を司る東アジアの龍とも、水界の蛇神ナーガとも異なり、ドゥクはあくまで雷と天空に結び付けられた霊獣である点に、ヒマラヤの竜の独自性がある。国王はドゥク・ギャルポと称され、竜はこの国のあらゆる象徴に浸透している。

文化的足跡

ブータンの国号・国旗・国章・国歌・王号のすべてにドゥクが刻まれており、これほど国家そのものと一体化した竜は他に類を見ない。国営航空会社もドゥルック航空を名乗る。現代の創作でも東洋の竜の一種としてしばしば言及されるが、その本来の姿は、雷を声とし国を守る、ヒマラヤ仏教世界の霊獣である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q2344734 — 骨格データの出典
Commons
Bhutanese dragons — 図像カテゴリ