テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
PLATE — CUMHALL
CELTAE · ケルト神話
CUMHALL

クウィル

クウィル · クウィル・マク・トレーンヴォル · Cumhall

フィアナの長でフィン・マックールの父。ドルイドのタドグの娘ムルネを連れ去ったため上王コンと戦い、クヌハの戦いでフィアナの別の一派の長ゴル・マク・モーナに討たれた。ムルネは追放の身でフィンを産んだ。

01

解説

概要

クウィル(クウィル・マク・トレーンヴォル、「トレーンモールの子」)は、アイルランドのケルト神話のうち、フィアナ物語群に登場するフィアナ騎士団の長である。英雄フィン・マックールの父にあたり、フィンの名も「クウィルの子フィン」を意味する。対立するフィアナの一派の長ゴル・マク・モーナに討たれ、息子はその死後に生まれた。

神話・物語

『クヌハの戦いの原因』によれば、クウィルは小王の子で、上王コン・ケードハタハ(「百戦の」コン)に仕えていた。クウィルはドルイドのタドグ・マク・ヌアダトの娘ムルネを妻に望んだが、タドグに拒まれ、ムルネを連れ去った。タドグの訴えを受けたコンは、娘を返すか追放されるかを選ばせたが、クウィルは妻を手放さなかった。コンはクウィルに兵を向け、クヌハの戦いでクウィルはゴル・マク・モーナに討たれた。ゴルはこののちフィアナの長となった。

ムルネはすでにフィンを身ごもっていた。父タドグは娘を受け入れず焼き殺すよう命じたが、ムルネはコンの庇護を求め、追放の身で子を産んでデウネと名づけた。これがのちのフィンである。

資料

フィンの家系を伝える文献として最も重要なのは、12世紀の写本『赤牛の書』に収める『クヌハの戦いの原因』で、15世紀の写本に残る『フィンの少年時代の功業』がこれに次ぐ。『古老たちの語らい』では、ムルネの系譜などがこれと異なっている。

図像と象徴

固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。

系譜と関係

父はトレーンモールで、上王コンにとっては半叔父にあたる。兄弟のクリムアルは、のちにフィンの味方となった。クウィルの一族バシュクネとゴルの一族モーナはフィアナの指導権をめぐって対立し、成長したフィンがフィアナの長となったのちも、その確執はフィアナ物語群を通じて続く。

文化的足跡

クヌハは今日のダブリン西郊キャッスルノックにあたるとされる。クウィルは、キャッスルノック・カレッジの敷地内の、古い給水塔が立つ丘の下に葬られていると伝えられる。

なおケルトの伝承は今日も語り継がれており、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q958405 — 骨格データの出典