シトラリクエ
シトラリクエ · シトラリニクエ · イラマテクートリ
「星の衣」を意味するアステカの創造の女神で、天の川がその衣とされる。夫シトララトナクとともに星・天の川・大地・死・闇を創った。別名イラマテクートリ(老いた貴婦人)で、ティティトルの祭で女が扮して犠牲に捧げられた。
解説
概要
シトラリクエ(Citlālīcue、シトラリニクエとも)は、アステカ神話の創造の女神で、名はナワトル語のシトラリン(「星」)とクエイトル(「腰布」)からなり、「星の腰布をまとう女」を意味する。天の川がその衣とされた。夫シトララトナク(「輝く星」)とともに天に住み、星々を造ったとされる。「老いた貴婦人」を意味するイラマテクートリとも同一視される。
神話・物語
16世紀の『太陽の伝説』は、第四の太陽の時代の終わりの大洪水を語るなかで、この女神に触れる。洪水を生き延びた夫婦タタとネネが、言いつけに背いて魚を焼いたため、その煙が天に昇った。それに気づいたシトラリニクエとシトララトナクが「神々よ、誰が火を焚いているのか、誰が天をいぶしているのか」と言うと、テスカトリポカが降りてきて二人を罰し、犬に変えたという。天の高みから地上を見下ろす、古い天の神の夫婦として描かれている。
創造の神の一対は資料によってさまざまな名で呼ばれ、シトラリクエを天の最上層の創造神トナカシワトル(オメテオトルの女性の側)と同じとみる説もある。
イラマテクートリとしては、太陽暦の第17月ティティトルに祭が営まれた。サアグンによれば、女神に扮した女が白い衣をまとって踊ったのち犠牲に捧げられ、翌日には若者たちが藁などを詰めた袋で女たちを打つ習俗があったという。
図像と象徴
シトラリクエそのものを描いたと確かに言える図は少なく、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
夫はシトララトナク。トナカシワトル、イラマテクートリと同一視されることがある。
なおメソアメリカの先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。