チャルチウトラトナル
チャルチウトラトナル · Chalchiuhtlatonal
海とその生き物を司るアステカの水の神で、名は「翡翠の輝き」を意味し水の女神チャルチウトリクエと語根を共有する。名が神々の一覧に現れるのみで祭も図像も伝わらず、アステカの神名記録の性格を示す例である。
解説
概要
アステカ神話において、チャルチウトラトナルは水の神であり、チャルチウトリクエと関わる。
海を見守り、そこに住む動物を守る。一万年に一度、一人の人間に水の賜物を与え、海を守らせるという。
名
「チャルチウィトル」(緑玉、翡翠)と「トナリ」(日、熱、運命)から成る。「翡翠の輝き」あるいは「翡翠の日」を意味する。
翡翠は、メソアメリカにおいて水と生命を表す最も貴い石であった。緑色が水と若い作物の色であることによる。
チャルチウトリクエ。 「翡翠の裳を持つ者」を意味する水の女神である。同じ語根を共有し、対をなす。
職能
海と海の生き物を司る。
アステカは内陸の民であり、海への関心は限られていた。この神が海を司るとされるのは、後代の資料、あるいは沿岸の民の信仰を反映するとみられる。
一万年に一人。 一万年に一度、一人に水の賜物を与えるという記述は、他のアステカの神々にない特異な設定である。
この記述の出典は明らかでなく、近代の資料に由来する可能性がある。本項はこれを紹介するが、その典拠の確かさには留保をつける。
資料の問題
チャルチウトラトナルについての記述は乏しい。名が神々の一覧に現れるのみで、祭も図像も伝わらない。
アステカの神の数。 サアグンをはじめとする資料は、数百の神名を記録する。しかしその多くは名のみが伝わり、実態が不明である。
一覧に名が並ぶことと、実際に祀られていたことは別である。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
チャルチウトリクエと対をなす。トラロックの体系に属する。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。