カルデア
カルダ · カルナ · クラネー
ローマの蝶番の女神。オウィディウスはニュンペーのカルナと同一視し、ヤーヌスに捕らえられて蝶番の支配権と山査子の枝を与えられ、赤子の血を吸うストリゲースから乳児を守るとした。戸口の各部に神を置くローマ宗教の例。
解説
概要
カルデア(Cardea、カルダとも)は、古代ローマの蝶番(ラテン語カルドー)の女神であった。ローマの扉は軸の蝶番で吊られていた。アウグストゥス時代の詩人オウィディウスは、カルナという別の古い女神と同一視する。カルナの祭は6月1日に祝われ、オウィディウスはこれにクラネーあるいはクラネアという別名を与え、ニュンペーとする。
オウィディウスによる両女神の混同はおそらく詩的な創作であるが、カルナがカルディナの縮約形であるとも推測され、少なくともオウィディウスは両者の伝承が合致することを見て取っていた。
オウィディウスの物語
『祭暦』第6巻によれば、ニュンペーのクラネーは狩りを好み、求婚者を森に誘っては姿を隠していた。ヤーヌスは二つの顔で背後を見ることができたため、隠れた彼女を見つけて捕らえた。その代償として、ヤーヌスは彼女に蝶番の支配権を与え、山査子の枝を授けて、戸口から災いを追い払う力を与えた。
カルナはこの力によって、夜に赤子の血を吸いに来るストリゲース——梟の姿の魔女——から乳児を守る。山査子の枝を戸口に置き、豚の内臓を供えて、赤子の内臓の代わりにするという儀礼が語られる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
蝶番という部品が神格化されているという点が、この女神を規定する。ローマ人は扉をヤーヌス、敷居をリメンティーヌス、扉板をフォルクルス、蝶番をカルデアと、戸口の各部分に神を置いた。境界としての戸口が、細分化された神々によって守られている。
キリスト教の著述家——とりわけアウグスティヌス——は、この細分化を嘲笑した。「一つの扉に三人の神が必要か」と。ローマ宗教の特徴が、批判者によって記録された例である。
関わる神格・伝承
ヤーヌスに蝶番の支配を与えられた。カルナと同一視される。ストリゲースから乳児を守る。
6月1日のカルナの祭では、豆と脂身を食べる習俗があり、「豆のカレンダエ」と呼ばれた。
文化的足跡
「カルディナル」(枢機卿、基本的な)は、蝶番を意味するカルドーに由来する。蝶番のように物事の要になるものを指す語である。