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アッティス
PLATE — ἌΤΤΙΣ
HELLAS · ギリシア神話
ἌΤΤΙΣ

アッティス

アッテス · Attis · Attes

キュベレーとアッティスの奉献浮彫(ローマ時代・大理石/フィリッポイ考古学博物館蔵)/Carole Raddato, CC BY-SA 2.0 CC BY-SA 2.0

プリュギア起源の死と再生の神。母神キュベレーの伴侶にして子とされ、自ら去勢して死に、常緑の松に生まれ変わったと語られる。

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解説

概要

アッティス(Ἄττις / Attis)は、プリュギアに起源をもつ死と再生の神。母神キュベレーの伴侶であり、同時にその子ともされる。自ら去勢して死に、女神の力によって朽ちない体を得た、あるいは常緑の松に生まれ変わったと語られる。プリュギア帽をかぶり、ゆったりした東方風のズボンをはいた若者の姿で表される。キュベレー崇拝が地中海世界へ広がるにつれ、その祭儀と分かちがたく結びついて伝わった。

神話・物語

最も詳しい伝えは、旅行家パウサニアスがプリュギアの都市ペッシヌースで聞いたという物語である。はじめに両性具有の存在アグディスティスがあった。オリュンポスの神々はこれを恐れ、その男性の部分を切り離して捨てる。捨てられた場所からアーモンドの木が生え、実った実をサンガリオス河の娘ナナが胸に収めると、実は消え、娘は身ごもった。生まれた男児は丘に捨てられたが、牡山羊がこれを育てた。これがアッティスである。

長じたアッティスは美しい若者となり、アグディスティス——すなわちキュベレー——の恋の相手となる。しかし養父は彼をペッシヌースへ送り、王女と娶せようとした。婚礼の歌が流れんとするまさにそのとき、女神が超絶的な姿で現れ、アッティスの正気を奪う。彼は自ら性器を切り落として死んだ。花婿の父となるはずだった王もこれに倣って自ら去勢し、コリュバンテスの先例となったという。悔いた女神は、アッティスの体が朽ちることも衰えることもないようにした。ストラボンは、ペッシヌースの神殿にその常緑の松があると記している。

別の系統の伝えでは、アッティスはリュディアで猪に殺されたとされる。この筋は、プリュギアの祭儀に豚を食べない禁忌があったことと結びつけて語られる。アドニスやオシリスと同じく、若い神が非業の死を遂げ、季節とともに還ってくるという型に属している。

図像と象徴

アッティスの標識は、まず衣装である。頭の先が前に折れたプリュギア帽をかぶり、脚を覆う長ズボンをはく。ギリシア・ローマの美術において、この装いは「東方から来た者」を一目で示す記号であった。羊飼いの杖を持つこともあり、牧童としての性格をうかがわせる。

本項に掲げるのは、キュベレーとアッティスをともに刻んだローマ期の奉献浮彫である。二神を並べて表す形式は帝政期に数多く作られ、アッティスが女神の祭儀と不可分であったことを物語る。オスティアのアッティス神殿に置かれた臥像はことに名高く、去勢ののちの姿を横たわる河神のように表しながら、頭には太陽の光線を、プリュギア帽には三日月を添える。晩期には天体と結びつけて理解されていたことがわかる。

象徴の核にあるのは松である。常緑の松は枯れないものの代表であり、アッティスがそこに生まれ変わったという伝えは、死んだものが失われないという主張にほかならない。3月の祭儀で松を伐って神殿へ運び、そこにアッティスの像を吊るしてから復活を祝う次第は、この象徴を年ごとに反復するものであった。

系譜と関係

母にして愛人であるキュベレーとの関係が、この神のほぼすべてを占める。アグディスティスをキュベレーと同一とみるか別の存在とみるかによって、生まれの筋も変わる。父にあたる存在は伝えられず、母のナナは河神サンガリオスの娘とされる。

祭儀のうえでは、去勢神官ガッリがこの神に倣って自らを捧げた。彼らがアッティスの死をなぞることで、神話は毎年、身体をもって再演された。

文化的足跡

ローマの3月の祭儀は、アッティスの物語を暦のうえに写したものである。15日に葦を運ぶカンナ・イントラット、22日に松を伐り運ぶアルボル・イントラット、24日の「血の日」、そして春分にあたる25日のヒラリアで復活が祝われた。この一連の日程は、クラウディウス帝の治世に公式の暦へ組み込まれている。

カトゥルスの詩篇63番は、我に返ったアッティスが海の彼方の故郷を思って嘆く姿を描き、ラテン詩のなかでも際立った一篇として読み継がれてきた。19世紀から20世紀初頭にかけては、アッティスをアドニスやオシリスと並べて「死して甦る神」の一類型とみる議論が盛んに行われたが、今日ではそれぞれの祭儀の実態に即して個別に検討する立場が主流である。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

ἌΤΤΙΣ
アッティス
ギリシア神話
ΚΥΒΈΛΗ
キュベレー
配偶者
収載データなし
ἌΤΤΙΣ
アッティス
ギリシア神話
収載データなし
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資料

Wikidata
Q262016 — 骨格データの出典
Commons
Attis — 図像カテゴリ