アシュタサキー
アシュタサキー · ラリター · ヴィシャーカー
ブラジ地方でラーダーとクリシュナに最も親しく仕えた八人のゴーピー。ラリター、ヴィシャーカーらからなり、ラーダーの分身とされ、それぞれ逢瀬の手配や衣装、食事などの奉仕を担う。クリシュナ信仰の多くの流派で女神として敬われる。
解説
概要
アシュタサキー(「八人の女友」)は、インド北部のブラジ地方に伝わる、ラーダーとクリシュナに最も親しく仕えた八人のゴーピー(牛飼いの娘)である。クリシュナを信仰する多くの流派で、女神として、またクリシュナの伴侶として敬われる。『パドマ・プラーナ』によれば、ドヴァーパラ・ユガにラーダーとクリシュナとともに天界ゴーローカから地上に降りた、二人の永遠の女友である。ヒンドゥーの体系に含めて扱う。
八人の女友
広く知られる八人は、ラリター、ヴィシャーカー、チャンパカラター、チトラー、トゥンガヴィディヤー、インドゥレーカー、ランガデーヴィー、スデーヴィーである。八人はいずれも、ラーダーの分身とみなされる。
筆頭のラリターは八人のうち最年長で、ラーダーより二十七日年上とされ、バルサーナー近くのウンチャガーオンに生まれた。ラーダーがクリシュナと離れて悲しむときになだめ、二人の逢瀬を整えるのが務めである。二番目のヴィシャーカーはラーダーと同じ日に生まれ、二人の衣装と装身具を整える。三番目のチャンパカラターはラーダーより一日年下で、森から果物や野菜を集めて二人の食事を作る。
カリ・ユガの世では、ヴリンダーヴァンの聖者で楽人のスワーミー・ハリダースがラリターの、スワーミー・ハリラーム・ヴィヤースがヴィシャーカーの化身とされる。
図像と象徴
主画像は、ヴリンダーヴァンでゴーピーたちと輪になって踊るクリシュナを描いた、1895年ごろの石版画(大英博物館蔵)である。
系譜と関係
ラーダーとクリシュナに仕え、ラーダーの分身とされる。
文化的足跡
ウンチャガーオンにはラリター、カマイにはヴィシャーカー、カラハラにはチャンパカラターを祀る寺院があるなど、ブラジ地方には八人の生地とされる村々に寺院がある。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。