ロシア・ウクライナ・ベラルーシの民間に伝わる呪文(ロシア語 заговор、複数 заговоры)。病・出血・不眠・恋・家畜・狩りなど目的ごとに型があり、19世紀以降に大量に採集された。多くは「海の上、大洋の上、ブヤン島という島に」という定型で場を立ち上げ、そこに立つ樫や石アラトィリを力の源として呼び出す。呼びかけられる相手は聖母マリヤや聖ゲオルギオスであることも、暁の乙女ゾリャーであることもあり、同じ筋の異本のあいだで入れ替わる。文字に残らなかった信仰の層を伝える資料として、二重信仰をめぐる議論でも中心に置かれてきた。
GLOSSARIUM · ZAGOVORY