ベルリン・エジプト博物館蔵のパピルス(Berlin 3033)。クフ王の宮廷で王子たちが語る五つの奇蹟譚を、中エジプト語の神官文字で12欄にわたって記す。現存写本は第2中間期のものだが、原作は中王国期にさかのぼると見られる。末尾の話では、第5王朝最初の三王が一人の女から生まれる場にイシス・ネフティス・メスケネト・ヘケトが産婆として立ち会い、クヌムが生まれた子らの身体に健康を与える。神々が分業で出産を助ける場面として、エジプト文学のなかでも際立って具体的である。1823年頃にヘンリー・ウェストカーが入手し、K・R・レプシウスの手を経てA・エルマンが1890年に初訳した。レプシウスは公表せぬまま自宅に置いており、入手の経緯には不明な点が残る。
GLOSSARIUM · WESTCAR PAPYRUS